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見えてきた13年ぶりのCS進出!竜逆襲のキーマン高橋宏斗が勝てなかった二か月半を振り返る

見えてきた13年ぶりのCS進出!竜逆襲のキーマン高橋宏斗が勝てなかった二か月半を振り返る
「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)

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ドラゴンズの強さは本物だ

「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

風雲急を告げてきた感のあるセ・リーグ。ここにきてわれらドラゴンズ、投打のバランスがグーンと良くなり、クライマックスシリーズ(以下、CS)戦線に名乗りを上げる勢いを見せてきた。そして先週末29日から横浜スタジアムで始まった横浜DeNAベイスターズ戦。1、2戦は打撃戦を制し、ドラゴンズが連勝。3戦目もモノにすれば一気にAクラス浮上となる試合だっただけになんとも惜しいゲームを落としたとドラゴンズファンは皆、嘆いているに違いない。

しかしドラゴンズの強さは本物だ。好調となる一番の要因は打線のつながり。岡林勇希選手、田中幹也選手の一、二番が塁上をにぎわし、クリーンアップが返す。貧打に悩まされ続けてきた昇竜打線が長い眠りからようやく目覚めたのがなんといっても大きい。そして投手陣に目を向ければ、エース高橋宏斗投手(※「高」は「はしごだか」)の復調が大きい。軸となる先発投手がいなければチームに勢いが出ないからだ。シーズン開幕からずっと本調子とはいえないピッチングが続いていた高橋宏投手。CS進出へのキーマンとなるのは間違いないところ。そこで今週のサンドラは、“一体何が変わったのか?”高橋宏投手の変化についてフォーカスをあてた。

自信を無くしそうだったシーズン序盤

「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

背番号19に輝きが戻りつつある。シーズン前半は苦しんだものの、夏場に入り二度の完封勝利を挙げるなど、ここまで6勝9敗、防御率2.73(8月31日終了時点)の数字を残し、CS進出を目指すチームの原動力となっている。思い通りのピッチングができず苦しみ続けた中、いかにして復活を遂げることができたのか。胸の内に当てた思いとは何だったのか。

昨シーズン、12勝4敗、防御率1.38。最優秀防御率のタイトルを手中にし、リーグ内では無双のピッチングを見せつけた高橋宏投手。“競争”がテーマだった今年の沖縄春季キャンプでは、ひとり別次元の風格すら漂わせ、プロ5年目で自身初となる開幕投手を任された。

“ボクはチームを勝たせるだけ”

自身初の開幕試合には他の142試合を左右する投球をするだけとうそぶくなど、竜ローテのリーダーを自覚する貫禄さえも感じられたほどであった。しかし…。

3月28日、横浜スタジアムでの対ベイスターズ戦、初の開幕戦は5回0/3を投げ、被安打8、奪三振2、失点5と黒星。チームを勝利には導くことはできなかった。4月19日、4戦目となったバンテリンドームでの開幕戦と同じベイスターズ戦でようやく今シーズン初勝利をつかみ、5月2日、マツダスタジアムで行われた広島東洋カープ戦で2勝目を挙げたものの、そこから9試合、およそ2か月半の間、勝利に見放される結果となった。

不甲斐ない結果ばかりが続くピッチング。高橋宏投手自身も歯痒さいっぱいの胸の内をこう語った。

高橋宏投手「いつファームに落ちてもおかしくないような結果を出していたり、ローテーションの中で不甲斐ない投球をしていたのは感じていたので、自信を無くしそうでした」

大きく変えたことはないです

「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

それでも自然と汗が流れ落ちる暑い季節となった7月16日。甲子園球場での首位を快走する阪神タイガース戦で被安打4、奪三振7と久々に満足できる投球内容を見せシーズン初完封を挙げると、8月は5試合に登板し3勝、防御率1.89と、手が付けられなかった昨年の姿が戻ってきた。不安定極まりない投球から無双へ。復調のきっかけはどこにあったのだろう?高橋宏投手本人に聞いてみた。すると意外な言葉が返ってきた。

高橋宏投手「大きく変えたことはないです」

本人曰く、悪かったら何かを変えることは簡単。ただ逆に変えないものを持ち続けたことが功を奏したという。試合に入るまでの準備、一週間の調整方法等、成績が悪かったからといって、自分自身が決めたルーティンは一切変えることなく続けていたそうだ。

ただ高橋宏投手といえば、良い成績を挙げているにも関わらず、新たなる投球フォームを模索するなど、変化することを恐れなかったイメージが強かった。しかし勝てない日々の中でも変化を求めず、同じ準備を繰り返したというから驚きだ。

高橋宏投手「(成績は伸びなかったものの)準備体操を大事にし、常に悪い感覚はなかったですね。納得のいく球を投げていても負けがつくことがありました。しっかり結果が出るまでやり続けて我慢しました」

リリースポイントが理想の形より低かったりと、細かい調整ポイントは少なからずあったという。ただ結果を出せないというメンタルの部分が長く続いた成績の伸び悩みにつながったようだ。

変えないことへの勇気

「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

もしかしたら変えないことは変化させる以上に勇気がいることなのかもしれない。それでも高橋宏投手はじっと耐えた。必ずイメージ通りの投球ができる日が来ることを。

8月2日、マツダスタジアムでの対カープ戦で今季二度目の完封劇。相手を寄せ付けない“本来のヒロト”が帰ってきた。

高橋宏投手「ファンの皆さんに勝ちを届けるのがボクたちの仕事。これからもしっかり良い仕事ができるように、またチームを勝たせられるように頑張りたい」

ここまでの成績は勝ち数より負け数が3つも多い。残り少ない登板ではあるものの、勝ち星が負けを上回った時、13年ぶりのCS出場が近づいているかもしれない。この日ゲストコメンテーターとしてスタジオ入りしていた吉見一起氏は高橋宏投手に対し、“内容より結果”という短い言葉ながらも、エースとしての矜持を授けたように聞こえたものだった。19番を継承した者へ“エースとしてのプライドを見せろ!”と檄を飛ばしたようにも見えた。

先週末のベイスターズ三連戦でチームがより一層ひとつにまとまったように思えたのは私だけではあるまい。なんとしてでも選手たちから“ワクワクする秋”を戦うという熱気が感じられるのが嬉しくてならない。いよいよ勝負の9月!13年ぶりのCS進出に向け、毎試合トーナメントのつもりになって負けが許されない一戦必勝態勢をもって勝ち進んで欲しい。もちろん投の中心には若きエース高橋宏投手が腕を振り続けること。勝ちに飢えた昇竜軍団の逆襲の秋が今始まる!

がんばれドラゴンズ!
燃えよドラゴンズ!

竹内 茂喜

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