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ドラゴンズのショートを狙う!根尾昂「守れて打てないとレギュラーにはなれない」初出場で感じた悔しさと手応え

ドラゴンズのショートを狙う!根尾昂「守れて打てないとレギュラーにはなれない」初出場で感じた悔しさと手応え

とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム

ついに今シーズンの全日程が終了し、寸前のところまで繰り広げられたCSの進出をかけたあの試合の日々も少し遠い過去の出来事のように感じる。最終的な順位は5位。これでBクラスも7年連続となってしまったが、若手選手たちの台頭や中堅選手のキャリアハイの成績を叩き出しているところに注目すれば、昨年と同じ順位ではあるが確実に成長し優勝を狙う準備ができてきているのではないかと思う。

じっくりと錬成された個々の能力が、それぞれの連携の意図をしかと感じながら経験を積むことを繰り返していく。その時間をかけて本当に強いチームは生まれる。CSを争ったあの緊張感のある試合も、そういった経験を深くきざみこめる時間になったのではないかと思う。ドラゴンズにとってはオフシーズンになってしまったが、これからフェニックスリーグ、ウィンターリーグと若手を中心に伸び盛りの選手たちの牙を研磨する時間はまだまだ続く。

甲子園に響く「2番 ショート 根尾」のコール

「サンデードラゴンズ」に出演する根尾昂選手(C)CBCテレビ

9月29日甲子園のスタンドには ”ショート 根尾” のコールが響き渡った。ビジターの応援席で人数が少ないにもかかわらず、ビンと張った声でファンそれぞれが強い声援を送っていた。根尾選手が背負っているものからくる形容しがたい緊張感を、スタンドも同じように感じながら見守っているような雰囲気だった。七回裏ショートで途中出場し、ショートゴロを捌き少しそれた送球ではあったがアウトに仕留めた。そしてそのあとの打席ではジョンソン投手に三球三振。苦い結果ではあるが、悔しさの中に先を見つめるような眼差しで根尾選手は印象を述べた。

─ショートの守備に関して
「一番上手い人が守るポジション。守備範囲が広かったり、脚力があったり。堅実さがあって、バッテリーから信頼されていることが理想。」

─バッティングに関して
「ファーム(二軍)のピッチャーと一軍のピッチャーは全然違ったので一軍の舞台はこういうボールを打ち返していかないといけないなという。結果的に全然打てなかったけど、どうにかして打てる方法は間違いなくある。すごいなという印象で終わったのではなくて、もちろん違うとは思ったがもっと上の世界があると思った。」

根尾選手が痛感したプロの壁 乗り越えるカギは脚

「サンデードラゴンズ」に出演する根尾昂選手(C)CBCテレビ

今シーズンを振り返る質問の”プロの壁を痛感した一年だった。”にYESと答えた根尾選手。その壁を乗り越えるポイントとして脚の力をあげ、自らの現状についてこう分析した。

「試合に出続ける体力がないのも痛感しましたし、脚の力ですね。やっぱり(守備面での)一歩目もそうですし、全て脚なので。バッティングも走塁も全部もっともっと繰り返し練習しないといけないところはあるかなと思います。走ることに関してはずっとやってきたつもりではいた。(自主トレで)怪我をして走れなくてもどかしい感じがあって、ごまかしごまかし春先もやっていましたし、脚で大きな怪我をする経験がなかったので自分が思っている以上に全然動けていなかったですし、春につまづいたことが大きかったと思います。ようやく、6月7月くらいにはまともに足が動いてました。ずっと春先からやり続けてきたことがやっと夏の初めに結果が出始めたので、特に打てているという感じよりやっと動きができてきたという感じでした。ファールになっていた打球が捉えられてきた感じです。」

そんな根尾選手は休日も、基本的にはコーチに頼んで練習をし着実に進化を遂げている。そんな姿を見守る荒木コーチは自身の経験に重ねながら言葉を選んでこう話した。

「夜でも寮ですごく練習しているみたいですし、たまには休めよと言いますけどそういう姿が見えるうちはどんどん上達していくでしょうから、そういうところは持ち続けて欲しい。」

練習に対して根尾選手はこう考えている。

「ずっと同じレベルを出し続けていけるような技術力は、練習していったらつく自信はあるんで、そこはもっと追い込んでやりたい。」

確信があるからこそ迷いなく出来るのだろう。百戦錬磨の選手たちがいう、「練習の意味を考える」ということをもう身体で感じているのかもしれない。

ファームでの経験とレギュラーショートへの展望

「サンデードラゴンズ」に出演する根尾昂選手(C)CBCテレビ

根尾選手は今シーズンファームでの試合数を108試合、打席数を444打席と数えた。期待のドラ1といえ、高卒野手としてまず経験を積みたいところで、出場機会を確実に得られる環境で戦い続けられたことは大きい。そこで培ったことに対して根尾選手はこう話した。

「今シーズンはたくさん失敗もしましたし、いろいろなスタッフであったり、監督、コーチに迷惑をかけ続けた一年だったので、一年間使い続けてもらったっていうのがやっぱり一番大きい収穫だったので、これからもできることを増やしていくというよりも、できないことを減らしていくというイメージでやっていきたい。もちろん自分の中でももっと早く一軍に上がりたいという気持ちはありましたし、(チャンスを)モノにできなくて悔しさはありましたけど、次はできるかなという感触ですね、できないとは思っていないんで。去年と比べたら全然違う体になっているので、自信があるし打ってこそのポジションだと思っているので。自分の打てるという長所は出していきたいので、守れるだけでレギュラーを獲れるとは到底思っていないので。京田さんもいますし、守れて打てないとドラゴンズのレギュラーにはなれない。」

初出場と、それを裏付ける実績をしっかりと積んだプロ一年目。その力強い眼差しの奥には揺るがない理想とそこに向ける熱意がある。まだ可能性は無限に広がっているが、シンプルにかっこいいから目指したいと語るショートのポジションを全力で獲りにいってもらいたいと感じる。もちろん京田選手も年々進化する守備力を武器に高い壁として立ちはだかるだろう。

近い将来、その戦いも見られることを楽しみにして。オフもその準備期間としての前哨戦は始まっている。まだまだ野球から目が離せない。

澤村桃

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