携帯圏外の山奥なのに人が絶えない…82歳の凄腕店主が“6年かけて1人で建てた”レストラン
名古屋から車で1時間。紅葉の人気名所・香嵐渓で知られる豊田市足助町から、さらに山奥へ30分。そこに、知る人ぞ知る人気店があります。
携帯は圏外。2013年にオープンした山奥にあるレストラン「春秋風亭(ちゅんちゅぷうてい)」の魅力を調査しました。
山の恵みを活かした料理と、木のぬくもりあふれる店内

玄関にはお客さんが脱いだ靴がたくさん並び、中に入ると木の温もりを感じるおしゃれな店内が広がります。
(オーナー・古宏さん)
「(店名の)『春秋風亭』は、中国読み。名前は古いという字に宏という字で、“いにしえこう”という名前にしているんですよ。本名は古茂田、出身は愛媛県松山市」

なかなかこだわりのありそうなオーナーの古宏さんは、82歳。オーナーが作る料理は、山奥でもわざわざ食べに来たいというメニューばかりです。
(お客さん)
「チーズカレーがおいしい」

鶏ガラ、魚、さらに猪のガラを入れ、2日間かけてダシをとった特製ルーに、チーズをたっぷりとのせて焼き上げる「とろとろチーズカレー」。
足助の山で捕れたという猪肉を赤ワインに丸2日間漬け込み、1日かけて煮込むという手間暇かけたコウさん自信作の「猪肉の赤ワイン煮込み」。本格的な洋食店なのかと思えば…。
(お客さん)
「これが戸隠そばだよ」
風味や喉越しがいい日本三大そばで知られる長野県の戸隠そばを使用した「天ぷらそば」もあります。
料理も建築も独学!すべて自力で完成させた店

料理もさることながら、お客さんを魅了している理由はほかにもあります。
(お客さん)
「マスターが全部、自分で造った」
なんと、このお店はすべて宏さんの手造り。基礎も、天井の梁も、店内のテーブルも、薪ストーブの設置も、立派な玄関も、すべて手造りです。しかも、驚きなのは…。
(オーナー・古宏さん)
「65歳から、6年かけて建てた」
雑木林の土地から6年間かけて、1人でこのお店を造ったのです。お客さんは、この木の温もりを感じる店内でおいしい食事をしながら、ゆったりとした時間を過ごすのが好きで、わざわざ来店しています。
(オーナーの息子)
「びっくりした。山奥だったからお客が来ないと思っていた。けっこうお客が来る。ネットで調べられるから」
山奥にありながらSNSで話題となり、常にお客さんが途絶えない店になったのです。

そもそも、宏さんは何者なのでしょうか。
(オーナー・古宏さん)
「(料理の勉強は?)していない。(建築の勉強は?)していない。プロの手助けもない。中学時代の知識だけ」
料理も建築もすべて独学。資格が必要な箇所のみ専門家が行い、あとは自力で作業。建築確認申請や完了審査も済ませ、このお店を完成させたのです。
自然豊かな環境に惚れ込み移住を決意。米づくりまで手がける暮らし

宏さんは、20歳で故郷の愛媛から上京し、衣料品店をオープン。その後、飲食店も経営し、15店舗まで拡大させた敏腕オーナーでもあります。
宏さんが東京から帰省する際、休憩でたまたま立ち寄った豊田の環境に惚れ込み、すべてを手放し、永住を決意しました。
(オーナー・古宏さん)
「豊田の町並みがいいなと。周りに家がないし、自然豊か。ココでお店をやろうと決めた」
建築の技術は、その道のプロや友人から聞きながら手探りで身につけ、料理の技術はフレンチのオーナー時代に料理長の調理を見ながら習得しました。
(オーナー・古宏さん)
「お米も作っている」
ついには、お米まで手作り。米粒がしっかりとして甘みの強い「ミネアサヒ」という品種を育てています。山間地の豊かな森から得られるミネラル豊富な水で育つため、おいしいお米になるのです。
100歳まで現役宣言!目指すは“泊まれるレストラン”

今でもやりたいことに全力で向き合う宏さん。ぜひ見てほしいものがあると案内してくれたのは、「夢の場所」と呼んでいるお店の隣の建物でした。
お店の隣に20畳ほどの建物を、なんと1人で1年かけて建設。何のために建てたのか伺いました。
(オーナー・古宏さん)
「ここでオーベルジュ(泊まれるレストラン)をやりたい」
レストランだけでなく、宿泊施設もやりたいという大きな夢のために建てたのです。自生していた木で建てたため、総工費は40〜50万円ほどで済みました。

(オーナー・古宏さん)
「100歳までがんばる」
山奥の人気店は、オーナーの夢とこだわりが詰まった凄すぎる空間でした。
CBCテレビ「チャント!」2026年3月3日放送より




