裸男が竹によじ登り占う&参拝者のお尻をペンペン!?尾張三大奇祭「きねこさ祭」とは

2024年3月6日(水)放送
裸男が竹によじ登り占う&参拝者のお尻をペンペン!?尾張三大奇祭「きねこさ祭」とは

極寒の庄内川の中にそびえ立つ1本の竹。突如、河川敷で多くの観客が見守る中、ふんどし姿の男がよじ登って折れた竹の方角で吉凶を占う神事があります。1000年以上の歴史を誇る尾張三大奇祭「きねこさ祭り」にタレントの寺坂頼我くん(以下、寺坂くん)が密着しました。

竹の折れた方角で吉凶を占う「川神事」とは?

CBCテレビ:画像『チャント!』

愛知県名古屋市中村区にある「七所社」。午前5時、2月の早朝から冷水を浴びる男たちに何をしているのか尋ねました。

(七所社氏子総代会・古橋欣治会長)
「みそぎです。祭りに出るために身を清めている。2日前からこもって、きのうの朝ときょうの朝、身を清めてお祭りに臨みます」

1000年以上の歴史を持つ「きねこさ祭」は、天下太平や五穀豊穣を祈る祭り。“役者”と呼ばれる、地元の後厄の男性10人と、親が厄年の子ども2人、合計12人の役者が、祭り2日前から衣食住を共にし、身を清めて当日を迎えます。名古屋市・熱田神宮の「歩射神事」、稲沢市の「国府宮はだか祭り」と並び、「尾張三大奇祭」の一つとされる、「きねこさ祭」。奇祭と言われる理由は…。

(古橋会長)
「庄内川へ行って、(川に)竹を立てて1人が登って(竹の)折れた方向によってその年の吉凶を占う。豊作かどうか。かなり腕力要りますよ」

奇祭と言われる理由は、竹が折れる方角で、その年の吉凶を占う「川祭り」と呼ばれる神事。凶の方角に折れた年は、不作や不幸が訪れると言われ、伊勢湾台風が起きた年も、凶方向に折れたとの言い伝えが。町の運命がかかった、責任重大な神事です。吉凶を占う竹は毎年、役者たちが自ら選別して伐採。この段階から、運命は動き始めています。

一発で「吉方向」に竹を折らねばならない大役に臨む!

CBCテレビ:画像『チャント!』

祭り当日の正午過ぎ、役者たちは選りすぐりの竹を担いで「七所社」を出発。神事が行われる極寒の庄内川へ向かいます。大勢の観客で埋め尽くす中、役者たちが入水。懸命に竹を立てる中で後方に1人、鍛え上げられた体で佇む男性が。今年竹に登る大役を果たす武藤晃治さんです。

(竹を折る大役・武藤晃治さん)
「トレーニングはいつもしてる。フルマラソン」

武藤さんは町工場を営む傍ら、趣味でフルマラソンに参加。アマチュアにも関わらず、自己ベスト2時間25分とプロ顔負けの速さ。持前の身軽さと体力を鑑みて、今回竹に登る大役を任されました。実は、武藤さんの父も1994年に竹を登った経験者。例年、一発で吉の方角に折ることが理想とされる神事で、父に続くためにも失敗は許されません。

(武藤さん)
「ことしの恵方の『東北東』、吉じゃなくて大吉を狙いたい」

CBCテレビ:画像『チャント!』

今年の恵方である東北東に倒れれば大吉、南東であれば吉。凶の北西を避け、無事に一発で竹を折ることができるのか緊張が高まります。

武藤さんは強風の中、力を込めて竹を登り、美しいカーブを描いて折れた竹は、吉の方角の南東に着水しました。

(武藤さん)
「あっという間でした。自分の倒したかった方向よりも竹が曲がってしまった。もう行くしかないな(と思った)」

無事、大役を果たした武藤さんは役者たちと熱い抱擁を交わし、「きねこさ祭」は終了かと思いきや…、むしろここからが本番です。

厄除け神事!様々な道具でお尻を叩かれる参拝者たち

CBCテレビ:画像『チャント!』

川祭り終了後は、七所社に場所を移し、境内へ。そこでは様々な道具でお尻を叩かれる参拝客たちの姿がありました。

「きねこさ祭り」の由来でもある「きね」や「こさ」をはじめ、様々な祭具に触れると厄が落ちると言われる「厄除け神事」。翌年に役者として参加する、今年“本厄”の男性や参拝客らが、今年の役者たちに道具で叩いたり触れたりしてもらい、厄を落してもらうのです。

(古橋会長)
「(厄除け神事も)『尾張三大奇祭』のゆえん。これを楽しみに一年みんな過ごす」

こうして、尾張三大奇祭の最後の祭り「きねこさ祭」が終了しました。寺坂くんが今回OMATSURIちゃんに選んだのは、見事竹を吉の方角に折った武藤さんです。

(武藤さん)
「悔いのないお祭りにできた。自分たちの心に残った。100点です」

力強い手形が、寺坂くんの法被に刻まれました。

CBCテレビ「チャント!」3月6日放送より

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