声優などの「声」を勝手に使われない権利、ようやく認められる。
声優らの声が無断でAIで生成される被害が相次いでいる問題を受け、法務省は今月7日、声も氏名や肖像と同じように個人の人格の象徴であると明記した解釈指針を公表しました。この解釈指針では、複数の想定事例を列挙したうえで、事業者だけではなく一般のAI利用者にも向けたもので、権利を侵害された人の救済とトラブル予防の後押しになると期待されています。8月15日放送『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、オリンピア法律事務所の原武之弁護士がこのニュースを基に、日本が直面するAIの法律的な問題点について解説しました。聞き手は北野誠と加藤由香アナウンサーです。
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自分で作った動画において、有名人の画像を無断で使用すると罰せられる可能性があることはよく知られていますが、声優など特徴のある声の無断使用は野放しになっていました。
原「確かに今まではマネできると思わないので、声を保護する法律はないんですよね。それがこれだけ乱用されちゃっているので、いろんな団体の要望もあって今回ガイドラインで、声を不正に利用して利益を得ている場合は民事賠償の責任を問われるし、差し止めを受けられることが明らかになったってことなんですね」
今までなかなか取り締まることができなかったのは、なぜでしょうか?
原「声ってあまり同一性というのがよくわからない。少しトーンを変えられたら本人なのかどうかわからないし、どういうふうに検証するのかっていうのが難しい。
ただ、(生成AIによって)あまりにも簡単に使えるようになっちゃったので。
また、ただ使われて利益を得るだけじゃなくて、例えば性的なことを言わせたりといったことで人権侵害にもつながるので。みだりに使われない権利というのも認められましたから、裁判はしないといけないですけど、これからは比較的守られやすくはなった。第一段階はやっと突破かなと」
権利と事業成長、バランスの難しさ
法制化されていないものの、裁判所はガイドラインに基づいて判断します。そのため法的な請求は認められやすくなり、これでも改善されないようであれば、生成AIに関する事業者に対して命令を出すことになりそうです。
一方で生成AIへの規制が厳しくなり過ぎると、日本では新しい事業が生まれにくくなる危険性も孕んでいます。
生成AIの進歩や浸透はめざましく進んでいるため、新たな問題に法律の策定が追いつかず、また裁判も長い間行なわれるため、適切な対応ができないことも考えられます。
裁判に時間がかかりすぎるのが問題
原「日本の場合は昔Winny事件というのがあって、ファイル共有ソフトを作った人が犯罪の幇助じゃないかと立件されましたけど、あれであの分野の開発が止まったということが言われてるんですね。
そうすると、AIも規制すると遅れる可能性があるので、権利保護と開発、時代の流れとどう折り合いをつけていくかですから。
私が思うのは、裁判制度自体が遅すぎるのでこっちを変えないと、3か月か2か月ぐらいで(判決を出した方が良い)。暫定でもしようがないと思うんですけど。
日本って緻密な議論をしないといけないと思い込んでますけど、一定の結論を早く出すというのも解決なんですよね」
皮肉にも、裁判を早く進めるためにAIの活用を行なうべきという議論が進んでいくかもしれませんね。
(岡本)
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