栃木強盗殺人、実行役は知人同士?これまでの「トクリュウ」との違いは
栃木県上三川町の住宅で5月14日、69歳の女性が殺害され、16歳の少年4人が逮捕された強盗殺人事件で、警察は新たに、指示役とみられる20代の夫婦を逮捕しました。5月18日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、匿名・流動型犯罪グループ、略称「トクリュウ」の犯行とされるこの事件について解説しました。
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この夫婦は事件当時、実行役の4人の少年に指示を出していたと見られていますが、さらに上の立場の指示役がいたとも考えられています。
今回の事件はトクリュウの犯行とみられているものの、これまでの事件と若干違うところがあると、石塚は指摘します。
それは実行役の少年4人が、同級生やその知り合いなど、お互いに知っている関係だったということ。これまでの実行役は、お互い初めて会って全然知らないというパターンが多かったといいます。
顔も名前も知らないまま集められて犯行に向かうのが、トクリュウの特徴的なところでした。
石塚「捕まったときにも上へとたどって来られないように、なるべく仲間や指示役のことも何もわからない人を集めておいた方が、万が一捕まったときにも、捜査がそこから先に伸びないっていうこともあったと思うんですね」
警察の仮装身分捜査
ところが今回は、最初に声をかけられた容疑者の少年が、自分の知人を誘ってきたという形でした。
確定的なことは言えないとしながらも、石塚は警察が始めた「仮装身分捜査」が背景にあると分析します。
これは、捜査員が警察官だということを隠して闇バイトに応募し、雇われることで犯罪グループの内側に入っていく、いわばおとりのような手法です。
この捜査スタイルの効果が上がっており、警察庁の発表によると、昨年も何件か摘発につながっています。
今はいわばイタチごっこの状況。「トクリュウ」がこれまでのように闇バイトの応募者をバラバラに雇っていると、その中に捜査員が混じってくる可能性が出てきたのです。
石塚「犯罪グループが、誰か確実なやつひとりだけ声をかけて、あとお前が見つけてこいと。こういうパターンに変わってるんじゃないかっていう話があるんですね」
際立つ若年化
ここで光山雄一朗アナウンサーが、この日の毎日新聞に掲載されていた「際立つ若年化」という記事を紹介します。
2025年にトクリュウによるとみられる資金獲得の犯罪で摘発されたのは1万2178人で、その中で若年層の摘発が目立っており、20歳未満はおよそ1割に当たるとのこと。過去の事件と比べて、実行役の年齢が低くなってきていることも際立っているといいます。
光山「年齢が低いと、当然、警察の仮装身分捜査みたいな感じじゃないっていうところの狙いもあるかもしれませんね」
石塚「それも間違いなくあると思うし、また、若い人ほどこういうことに警戒するときの一般常識がまだない。だから、わりと騙されて犯罪に入ってきやすい。いろんな条件があるんでしょうね」
実行役同士のつながり方が変わり始めたトクリュウ。捜査と犯罪グループのせめぎ合いは、新たな段階に入っているようです。
(minto)
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