素朴な疑問。女性が天皇になれないのはなぜ?
皇位継承をめぐって国会が議論を重ねています。高市早苗総理大臣は16日、参議院予算委員会で「皇室典範に基づき女性天皇は認められない」という趣旨の発言をしています。どうして女性天皇は認められないのでしょうか?『CBCラジオ #プラス!』では、光山雄一朗アナウンサーが「皇室典範」について、アディーレ法律事務所弁護士の正木裕美先生に尋ねます。
関連リンク
この記事をradiko(ラジコ)で聴く皇室典範とは
「皇室典範」とはどういうものでしょうか?
正木「皇室典範は天皇や皇族に関する法律です。日本国憲法と同日に施行された、古いものではあります。国会のコントロールが及ぶような法律で、天皇、皇族について決めるという位置づけになっています。
天皇に関しては憲法自体に規定があります。皇位継承に関しては世襲のものである、と憲法で決まっていますが、具体的な定める方法については国会の議決した皇室典範の定めるところによる、と書いています。具体的な承継方法について決めているのが皇室典範です」
男系男子の皇族
具体的な継承方法とはどのようなものでしょうか?
正木「ここが一番議論になるところです。誰が継承できるのかは、皇統に属する男系男子の皇族が皇位継承するという定めがあります。男系男子というルールがあるので女性天皇をどうするかという議論がここから生まれてきます」
そもそも「男系男子」とは何ですか?
正木「男系とは、父方をずっとたどっていくと天皇の血筋になります、ということです。女系というのは母親をたどっていくと天皇の血筋になります。
男子というのは性別の部分です。だから男系男子というのは、父方をたどっていくと天皇の血筋になる男のこどものみが皇位を継承するというルールです」
皇族の方がいなくなる?
高市首相が発した「皇室典範に基づき女性天皇は認められない」とはどういうことですか?
正木「女性天皇とは女のお子様となりますが、皇室典範には男系男子だけが皇位を継承できるというルールになっているので、そもそも父方だろうが、母方だろうが、女の子には皇位継承権が認められていません。
ただ、これに関してはこれで本当にいいのかと長らく議論されてきました。いま皇位継承権があるのは3名のみです。天皇陛下の次の世代では悠仁様のみが、いま皇位継承権があります。それ以外の未婚の皇族は全員が女性です。
現在の皇室典範では、皇族の女性は皇族でない方とご結婚された場合には皇族でなくなるというルールがありますので、いま未婚の皇族の方々が結婚されてしまった場合、皇族から離れてしまう。
そうすると、将来的に悠仁様の世代では皇族の方がそもそもいなくなってしまうのではないか、ということが言われています。
そこで、例えば天皇の幅を広げることもそうですし、結婚したら皇族を離れてしまうという女性のルールを変えようなど、さまざまな形で、皇族の方を安定的に確保しようというのが今の法律の議論の流れです」
女性天皇
正木「ここについては賛否がかなり分かれています。天皇は長い歴史があり、それがずっと守られてきました。女性天皇が過去に認められてきたかというと、推古天皇など過去8人いらっしゃいました。
そして、すべての方は父方をたどったときに天皇だったということは守られてきました。ということは男系は守られてきたのです。
そういう長い歴史は大切にするということもありますし、国民の感情も守らなくてはいけないということで、簡単に改正はできないと、ずっと議論がされてきました」
今後の議論
今後、議論はまとまりそうでしょうか?
正木「まとまってないです。反対も実際多いです。ただ皇族も含めて晩婚化、少子化が進んできていますので、なんらかの形で皇族を一定程度確保しなくてはいけないというのは一致しています。
しかし、それが必ずしも女性天皇を認めるというところまではいっていなくて、少なくとも今の時点で悠仁様、現在候補者はいらっしゃいます。
現在いらっしゃるという状況は守ろう。その次の世代に関してどうするかを今後議論しましょう。今の時点では皇位継承者の拡大をしましょうではなくて、まずは皇族を確保しましょうというレベルの議論が進んでいます。
どなたかと結婚しても皇族に残れるようにしましょう。そういう形で皇族が減らないようにしましょう。そこからについてはもうちょっと議論しましょうとなっています。
専門家は女性、女系皇族に拡大すること自体は反対しているものではないので、国民がどれだけ賛成できるかが非常に大きいと思います」
(みず)
番組紹介
読んで聴く、新しい習慣。番組内容を編集した記事からラジオ番組を聴いていただける”RadiChubu”。名古屋を拠点とするCBCラジオの番組と連動した、中部地方ならではの記事を配信する情報サイトです。



