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実は合理的?縁起担ぎや迷信の意外な意味

実は合理的?縁起担ぎや迷信の意外な意味

日本には八百万の神がいると言われています。古来より目に見えないモノやコトに対しても信仰深く暮らしてきた日本には、「縁起担ぎ」や「おまじない」といった文化も深く根付いています。科学的な根拠や確かな理屈があるわけではないのに、不思議と信じたくなる縁起担ぎの風習は、実はとある業界ではとても重要視されていたのです。3月21日放送のCBCラジオ『石塚元章 ニュースマン!!』では、愛知県建設業協会株式会社中部土木の小田さんが、土木工事と縁起担ぎについての興味深い話をしました。聞き手はCBC論説室の石塚元章特別解説委員と加藤愛です。

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信じる?信じない?

小田さん「石塚さんや加藤さんは、普段から縁起を担ぐことはありますか?」

蛇の抜け殻を財布に入れると金運が上がるとか、大切な用事の日には大安を選ぶとか、勝負事の前にはトンカツを食べるとか。近年では一粒万倍日に宝くじを買う人も増えました。
誰しも一度は耳にしたことがあったり、実践したことがあるのではないでしょうか。

石塚「僕は『お財布にお札を入れる時に、肖像が逆さになるように入れるとお金が逃げない』っていうのをやってます」

こちらも有名な縁起担ぎです。こうして改めて考えてみると、私たちは意外と身近に、日常的に縁起を担いでいることに気が付きます。

小田さん「海外ではジンクスと言われています。例えば黒猫が目の前を横切ると不吉だとか、13日の金曜日だとか」

海外ではどちらかといえばネガティブな意味で使われるものだそうですが、日本では良い、悪い両方の意味で私たちの生活に根付いています。

人知を超えた事象

そんな縁起担ぎですが、どちらかといえば「気休め」だとか「おまじない」といった、ふんわりとした捉え方をしている人がほとんどだと思います。

小田さん「ですが土木や建築の世界は、縁起担ぎがいまだに伝統的なしきたりとして残っている業界なんです」

というのも、土木工事が相手にしているものは「自然」だからです。

小田さん「自然は相当手強く、時には荒れ狂い、その圧倒的なパワーに人のなす術がない時もあります」

地震、台風、豪雨、土砂崩れ。自然災害は別名「天災」とも呼ばれ、人間の力に遠く及ばない存在として昔から恐れられてきました。

小田さん「そういう意味では工事の着工前に行なわれる恒例の起工式や地鎮祭などは、自分たちの限界を認めて土地の神々に工事の安全を願う、謙虚な気持ちの表れでもあるんです」

どれだけ人間の知恵や技術が発達しようとも、自然には敵わない。その部分を補うために縁起担ぎをしているようです。

トンネル工事では

では具体的に、どんな縁起担ぎをしているのでしょうか。

例えば誰も踏み入れたこともない地中奥深くで、昼夜作業を行なうトンネル工事。機械化されたとはいえ、昔も今も命懸けの作業であることには違いありません。
落石や発破後のガス中毒、そして崩壊などの可能性もあるため、トンネル工事は今でも重大な危険が伴う過酷な現場です。常に徹底した安全管理が行なわれています。
そんなトンネル工事の関係者が日頃気をつけている、独特の縁起担ぎの方法とは。

小田さん「ご飯にお茶や味噌汁をかけない、というものです」

お茶漬けやねこまんまなど、日本人に馴染みの食べ方をトンネル工事関係者は避けているそう。一体なぜなのでしょうか。

実は合理的

小田さん「ご飯にお茶や味噌汁をかけるとご飯が崩れる。ご飯が崩れる様子が山が崩れることを連想させて、非常に縁起が悪いとされているんです」

石塚「船に乗る人も気にするって聞いたことあります。船の中に水が入ってくる様子に似ているから」

自然を相手にする仕事を生業とする人たちの間では、有名な縁起担ぎの方法のようです。
逆にご飯を汁の中に入れて食べるのは、一向に構わないのだとか。それならば山が崩れたり水が染み出してくる様子は連想されないからです。

小田さん「それにお茶漬けはよく噛まない。過酷なトンネル作業に耐える体力が付かないことに対する戒めの意味もあるんです」

縁起担ぎや迷信といったものの中には、全く根拠がない訳ではなく、我々の生活の安全や教育を守るための戒めが隠れているものもしばしばあります。
例えば「食べてすぐ寝ると牛になる」は暴飲暴食への注意を促す迷信。このように合理的理由に基づいた生活の知恵が含まれているのです。

小田さん「いずれにしても日本古来の信仰で、万物に神が宿るという八百万の神の思想があります。我々の仕事は特に自然との対話を大切にして工事が行なわれるため、神事や縁起を重視しているんです」

自然と対話して丁寧な仕事をする。その良き伝統は、これからも受け継いでいきたいと語る小田さん。縁起担ぎと土木作業の意外な関係性は、古くから人々が繋いできた知恵と願いなのでした。
(吉村)
 

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