救命治療の妨げになることも?ネイルに要注意
手足の爪を、カラーリングや装飾などで華やかに彩るネイルアート。季節や気分に合わせて個性を表現する、おしゃれの楽しみ方のひとつです。しかしそんなネイルが原因で、あわや命の危機という状況になってしまう事もあるのをご存じでしょうか?3月14日放送のCBCラジオ『石塚元章 ニュースマン!!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が海外の事例を取り上げ、身近に潜む意外な危険について話します。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く緊急搬送の女性を診察
石塚「皆さんも注意した方がいいかなということで、こんな話題をひとつ」
そう言って話し始めたのは、先日中国湖南省で起こったというこんな出来事。
とある女性が突然心臓発作の症状を訴え、病院に救急搬送されたのだとか。
石塚「症状を診察した医者がこれはいけないという事で、血中酸素濃度を測ろうとしたんです」
身体が呼吸不全や低酸素症に陥っている可能性のある患者に対し、呼吸・循環機能を判断するため測定するのが血中酸素濃度です。
石塚「コロナの時によく話題になった、パルスオキシメーター。あれを使うんです」
パルスオキシメーターは、指先に装着して光を当てるだけで血液中の酸素飽和度や脈拍数などを測ることができる医療機器です。新型コロナウイルスの感染拡大が広がっていた時期、重症化の目安となる血中酸素濃度を測定するのに広く活用されました。
測定不可?
そんなパルスオキシメーターを使って、まずは女性の症状を確認。緊急搬送の患者の対応は一刻を争います。
ところが、患者の女性にパルスオキシメーターが装着できなかったとか。
石塚「なんとその女性はとても長い付け爪をつけていて、それが邪魔になってしまったんですね」
通常、身体の中に取り込まれた酸素は赤血球中のヘモグロビンと結合し全身に運ばれます。ヘモグロビンと結合している酸素の割合が高いか低いかによって、酸素が十分に体にいきわたっているかを確認するのです。
パルスオキシメーターはヘモグロビンの光の吸収特性を利用しています。指先に光を当て、皮膚を投下した光量からヘモグロビンの量、つまり血中酸素濃度の測定をするのです。
しかしネイルアートを施していると、それが光の透過を妨げてしまうため測定できなくなるというのです。
頑丈なネイル
でもネイルが邪魔をして測れないのなら、外してしまえばいいのではないでしょうか。
石塚「それが外そうとするんだけど外せない。外さないとパルスオキシメーターが装着できないのに」
実は女性が着けていたのは「ジェルネイル」と呼ばれるもの。合成樹脂のジェルを爪に塗り、LEDやUVライトで硬化させるネイルです。
最大の特徴はその耐久性で、しっかりくっついたまま最大で1カ月以上キープできる上、オフするためには専用の道具が必要となります。
その耐久性が仇となり、医療スタッフでは外すことができなかったとか。
ネイリストにSOS
なんと病院にネイリストを呼ぶ結果に。
石塚「専門の道具を使ってネイルを外して、それでやっと無事に治療を進めることができたんだそうです」
無事ネイルが外れた後は医療スタッフが直ちに治療を開始し、患者の命を救うことができたとか。
石塚「早急に治療しないと、本当に命にかかわる危険な状態だったみたいですよ」
実はコロナ禍でも、医療関係者からは「過度なネイルはしばしば医療行為の妨げになることもあるので気を付けて」と注意喚起がされていました。
おしゃれも大切ですが、命を落としてしまう要因になってはいけません。
実はネイルをしていてもパルスオキシメーターが使用できる場合があるそうです。
それは爪の根元を少し空けておくこと。
足の指など目立たない場所に1か所そういった部分を作っておくと、おしゃれと安全が両立できるようです。
(吉村)
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