巧い選手は動かない!中日OB・彦野利勝が語る「外野手の極意」
10月30日、元中日ドラゴンズ選手で野球解説者の彦野利勝さんが、CBCラジオ『ドラ魂キング』に出演し、外野守備について語りました。現役時代に名手として活躍した彦野さんから、外野手の極意を佐藤楠大アナウンサーと三浦優奈が尋ねます。
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最近グローブを買って、友人同士でノックをして、捕球の難しさを実感した佐藤。
佐藤「軟式でも怖くて捕れない。彦野さんにいろいろ聞こうと思います」
現役時代はセンターを守っていた彦野さんに、外野守備について基本から尋ねます。
まずピッチャーがボールを投げていない時は、守備位置で何をしているのでしょうか?
彦野「その時はキョロキョロしてます(笑)」
定位置で何してるの?
彦野「若くてあまり経験のない人は緊張すると思うんですよ。だから固まって最初から構えちゃってるとか」
ある程度、試合慣れしてる人にとっては、投球前は程よくリラックスできる時間。
頭に入っている選手のデータから、今打席に入ったバッターは初球から打ってくるのか?打ってこないのか?など打球の方向の癖や傾向を考えるんだとか。
また屋根のない球場なら、風向きはさっきと変わっていないか、日没後の薄暮時なら見やすいか見づらいか?などの確認をしているそうです。
彦野「キョロキョロって変な言い方ですけど、いろんなことを確認してます」
難しい打球
彦野「一番難しいのは低いライナーでしょうね。飛んでくるスピードも速いし」
それを捕る感覚はとにかく練習しない限り、言葉ではなかなかわからないそうです。
彦野「じゃあ我々は全部それを上手くできてるのかというと、たいてい間違えたりしてるんですよ」
本当は左なのに右に行く時もあるそうですが、そのカバーをする練習をしているので、ミスではないように見えているだけだとか。
彦野「たいていミスります(笑)」
外野手の鉄則
佐藤「正面から飛んでくるボールは、距離感がわからなくて捕るのが難しいと聞いたんですが」
彦野「前か後かと迷ったら動かないことですよ。変に動くともっと大変なことになるんで」
下がって前に落ちるならヒットで済みますが、逆はスリーベースは確定なんだとか。バンテリンドームだとランニングホームランになりかねません。
彦野「だからどうしてもわかんなかったら、動かないこと」
さらにもうひとつ重要なことを彦野さんは言いました。
彦野「速く動かないことです。外野手の鉄則です。ボールをちゃんと見るということです」
打球がどっちに飛んだか?を、できるだけ早く判断できるように練習することだそうです。上手い人は打球方向を見極めるまで動かないとのことでした。
この選手は上手い
彦野さんに巧いと思う現役選手を尋ねたところ、挙がったのは北海道日本ハムファイターズの万波中正選手と阪神タイガースの近本光司選手。
ドラゴンズの岡林勇希選手も上手いそうですが、たまに前や後ろにバタつくことがあるそうです。
彦野「能力があるので間に合っちゃうからいいんですよ。だから落球したり変なことはしない。あれだけの足と肩があるなら 、もうちょっとゆっくりやってもいいかな」
彦野さんの同世代であれば、新庄剛志監督が動かない外野手だったそうです。打球を確認してからの動きはまさに電光石火。
最後まで動くな
逆にあまり巧くない人は早く動こうとしすぎる傾向があるとか。判断が半分ぐらいしかできていないのに動いてしまって、慌てることもあると彦野さん。
佐藤「素人目に見ると、早く反応した、スゲエ!って思っちゃいますが、逆なんですね」
彦野さんの説明に納得する佐藤。
佐藤「まずボールが来ていない時は周りを見る。ボールが来たら方向を確認するまで動かず、動く時は素早く。非常に勉強になりました」
彦野「その前にキャッチボールやろうな(笑)」
グローブを買ったらまずはキャッチボールから。佐藤に優しく諭す彦野さんでした。
(尾関)
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