芸人のボディメイクが流行。そこにはあった「必然的な理由」

先月、お笑いコンビ・見取り図の盛山晋太郎さんが自身のインスタグラムを更新。約100日間のダイエット企画の成果として、痩せる前と後の写真を公開し、その劇的な違いが話題となりました。何年か前から体重を落としたり筋肉をつけたりする芸人が増えてきたとのこと。芸人という職業には、実は筋トレが得意、あるいはハマりやすいという特性があるそうです。8月1日放送『CBCラジオ #プラス!』では芸能記者の中西正男さんが、芸人のボディメイクについて解説しました。聞き手は天野なな実と竹地祐治アナウンサーです。
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盛山さんの他にも、一時期ダイエットで痩せていたゆりやんレトリィバァさんが『極悪女王』の役作りで体重を40kgも増やすなど、たびたび芸人のボディメイクが話題となります。
短期間で体重を減らすのはかなり難しいのですが、なぜ達成できるのでしょうか?
中西さんはさまざまな芸人から聞くのは「努力の仕方がわかる喜びが得られる」という理由。
逆に言えば、芸人の仕事は努力の仕方がわからず、売れるために何を努力すればわからない仕事といえます。
努力が結果に直結しやすいのは『M-1グランプリ』(テレビ朝日・ABC系)などの賞レースで優勝することですが、1年に1組しか達成できません。
しかも、M-1に優勝するために何を努力したら良いのかも不明です。
ネタの本数を多く作れば良いのか、自分のキャラクターをつけるために後輩などと飲みに行ったりすれば良いのか、何が正解か誰もわからない中で活動していかなければなりません。
ダイエットの方が簡単?
努力しても出世や収入につながるとは限りませんが、特に芸人の仕事は努力の仕方がさらに不明確です。
中西「例えばこっちの方に1,000km先にゴールがありますって言われたら、最後は這いつくばってでもゴールに行きますっていろんな芸人さんが言うんですけど、まったく何も見えへん暗闇の中にポーンと放り出されて、どっちにゴールがあるのか、何km先にあるのかもわからへん。
ダッシュするけど、それがホンマにゴールの方に走ってるのか、ひょっとしたらまったく逆の方に走ってるのか、それがまったくわからへんのが芸人さんの世界やっていうのは、みんな言う話なんですね」
筋トレであれば食事の制限量やトレーニングメニューを決めて実行したら、何か月後かに確実にムキムキになるという結果が出ので、お笑いの仕事と比べると簡単に思えるようです。
コンプラに厳しいことも影響
天野は鍛えたことによってダイエット本を出版したりイベントを主催したりと、ビジネスにつなげられる点も指摘。
中西さんは「芸人という仕事のひとつに生き様を見せるということもあり、そこに需要も生まれる」と語りました。
そして、竹地は「昔は芸のためなら女房も泣かすとかってやってましたけど、今のボディメイクは誰かを泣かせるわけでもないので、とても健全でイマドキだな」と感じたようです。
昔は無茶をすることで笑いを生み出した面もありましたが、それがコンプライアンスなどでやりにくい昨今、ボディメイクなどの方向に向かっているということもあると指摘する中西さんでした。
(岡本)
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