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米露直接対決へ?ウクライナ侵攻をめぐって激化するトランプ氏とプーチン氏の対立

米露直接対決へ?ウクライナ侵攻をめぐって激化するトランプ氏とプーチン氏の対立

共同通信によると、アメリカのドナルド・トランプ大統領はロシアに対し、来月上旬までにウクライナとの停戦合意に応じるよう求めました。これまでは9月上旬までの50日以内としていた期限を短縮した形で、合意がなければ制裁関税を課す方針です。何度も停戦交渉を試み失敗してきたトランプ大統領ですが、いよいよ両者間の溝は埋められないところまで来ているようです。7月29日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、この交渉の行方について、つボイノリオと小高直子アナウンサー、水分貴雅アナウンサーが解説します。

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停戦の合意期限を短縮

「50日以内に戦争を終結させなければ、ロシアに対して厳しい関税を課す」としていたのを、10日か12日以内に短縮すると述べたトランプ大統領。

トランプ大統領は「(ウラジーミル・)プーチン大統領と何度も話をして、何度も話が終わったと思っていた。それでも彼は攻撃を続けて市民を殺害した。とても失望している」と語っています。
その上で今後プーチン大統領と会談する可能性については、「もうそんなに興味がない」と否定的な考えを示しました。和平交渉にもいよいよ後がなくなってきた雰囲気を感じます。

一方でロシアのドミトリー・メドベージェフ安全保障会議副議長はトランプ大統領の発言に対し、「新たな最後通告は戦争への一歩だ。ロシアと彼自身の国との間で起きる」とXに投稿し、トランプ大統領に対して牽制の意を示しました。

立ち位置が変わってきたアメリカ

小高「もともとウクライナとロシアの戦いに関して、その他の国々は否定的だったじゃないですか。だけどそれぞれ自国は守りたいから、そこに介入しすぎないようにして、ウクライナにどうやって援助していくかを考えながらやっていた」

日本も含めロシアとウクライナとの戦争に否定的な考えを示していた国々は、なんとか辞めさせる道を模索したり、ウクライナに対して援助をしたりする姿勢をとってきました。

小高「でもトランプさんはもっと過激で、最初の頃は『アメリカは関係ないから金出す必要もない!』くらいの勢いで言ってた。そういう立ち位置だったのに気が付いたらロシアとアメリカの直接の戦争くらいの距離感になってしまっていて」

つボイ「この間もウクライナに武器共用すると言っていたくらいですから。よりググっと踏み込んでいる」

小高「形としてはウクライナを援助しているアメリカ、というよりもむしろ、アメリカとロシアの直接の戦いみたいな状況になろうとしているわけでしょ」

「これってアメリカ国民はどう思っているんでしょうね」と、小高はアメリカ国民の反応を心配します。

180度態度の変わったトランプ大統領

水分「トランプさん、初めは関心がなかったんですけどね。なぜなら兵器を買うのにお金がかかるから」

選挙期間中のトランプ大統領は、紛争地域への関与に否定的だったのに加え、プーチン大統領のことを繰り返し賞賛していました。

水分「当選したら戦争をやめさせると言っていたのに、ロシアが言うことを聞かないからもうさじを投げてしまったんですね」

つボイ「そもそもアメリカって覇権主義なんですよ。日本に対しても中国、ロシアに対しても。相手の国に対していかにマウント取るかという世界の中で、『関係ない』と言いながらも態度が変わってきた」

小高「ロシアに終戦交渉とはいっても、やっぱりあのプーチンさんだから難しくて。アメリカが頭を抱えていたところへ、トランプさんが『俺だったらできる!』って名乗りを上げたんですよね。なのにできなかったから『許せない、がっかりだ』っていうのもなんかちょっとね」

大統領に就任したばかりの頃、トランプ大統領は「戦争を必ず終結させることができる」と語っていました。それがなかなかうまくいかないので、しびれを切らしているように感じます。あんなに賞賛していたプーチン大統領との溝も、深まるばかりです。

支持率は最低水準

水分「結局中東の戦争も含め、どれも止まっていないんですよね」

つボイ「アメリカ国民はどう思っているかという話でいくと、やっぱり支持率は下がってますよね」

世界中を騒がせている関税問題も含めて、トランプ大統領の支持率は37%で、第2次政権における最低水準を記録しています。

小高「アメリカの国益重視、アメリカファーストと言っていたトランプさんのやり方って先進的だと言われたりもしているわけですけど、それがどういう結果になっているのかをよく見ておかないといけませんね」

ロシアの全面侵攻から3年半が経過したウクライナでは、戦争が激化の一途をたどっています。停戦の実現に向けて進展が見られない中で、アメリカがロシアに対しての圧力を一段と強めたことが、良い兆しになることを願います。
(吉村)
 

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