ラーメン数珠つなぎ第十四弾!豚のうまみ、塩のキレ!至高の一杯「らーめん 奏」

東海地方の人気ラーメン店の店主からイチオシをいただく「人気ラーメン店主がおすすめするラーメン数珠つなぎ」企画。第十四弾は「らぁ麺や 汐そば 雫」オーナー各務さんおすすめの名古屋市昭和区の人気ラーメン店「らーめん 奏(かなで)」を取材しました!
数々の輝かしい受賞歴
今回ご紹介するのは、昭和区阿由知通、地下鉄桜通線・吹上駅から徒歩2分のところにお店を構える「らーめん 奏(以下奏)」。

「奏」は2008年に中区新栄で開店。移転を2回重ね、2015年7月、現在の場所にオープン。奥深い味わいのラーメンが人気となり、「食べログ百名店」に幾度も選出されるほか、「ラーメンWalkerグランプリ殿堂店」、2019年には「ミシュランガイド愛知・岐阜・三重2019特別版」で「ビブグルマン」に選出されるなど、名実ともに名古屋有数の実力派ラーメン店として知られています。

店内に入った瞬間からスープの芳醇な香りに包まれ、食欲が優しく刺激されます。カウンター席5つと2名がけテーブル1卓のコンパクトな造りで、落ち着いてラーメンに向き合える空間になっています。


入り口左手には、これまでに受賞した盾や食べログ百名店のシールで飾られた券売機。メニューは「しおらーめん」と「しょうゆらーめん」をメインに「煮干しらーめん」、そのほか季節メニューとご飯ものとシンプルな構成。メニューがシンプルだからこそ一つ一つに注がれるこだわりに期待が高まります。
繊細さと奥深さを兼ね備えた黄金色のスープに舌鼓を打つ「しおチャーシュー麺」
まずはお店のおすすめメニュー「しおチャーシュー麺 1,000円(税込み)」。

青い縁の丼に映える黄金色のスープ、美しく盛り付けられたチャーシュー。この贅沢さで1,000円とは驚きのコストパフォーマンスです。

地鶏と国産銘柄豚などでとった動物系と煮干しや節類からとった魚介系を合わせたWスープに魚介系塩だれを合わせた美しいスープ。力強いコクがありながらも、口の中でじんわりと染み渡る優しさがあります。

麺は北海道産と愛知県産の上質な小麦を使った自家製中細ストレート麺。滑らかでつるりとした口当たりが、スープと見事に調和し、抜群の一体感。


豚チャーシューは種類の異なる愛知県産の銘柄豚を使用。豚肩ロースは厚みと弾力があり、噛むほどに肉のうまみがあふれます。豚バラは脂の甘さとジューシーさが際立ち、口の中で繊維がほどけていく。低温調理した国産桜姫鶏胸肉はしっとり柔らかく、あっさりとしたうまみで全体をまとめます。希少な国産竹を原料とするメンマもボリボリと食感が楽しく、素材一つ一つに妥協のない、完成度の高い一杯です。
うまみ凝縮スープに太縮れ麺が絡む「しょうゆらーめん」
続いては「しょうゆらーめん 950円(税込み)」。

濃厚なスープに丁寧に盛り付けられたトッピング。丼の中は無骨さと上品さが同居しています。

2種類の醤油、魚醤を合わせた醤油だれに動物と魚介のWスープ。深みのある醤油の香りとうまみが凝縮され、比内地鶏脂がさらに奥行きをプラス。とても奥行きのある味わいなのにすっきりとした後味で、なんとも不思議な感覚になります。

しおらーめんの中細ストレート麺に対し、しょうゆらーめんは太縮れ麺。太麺ならではのもちもちとした食感と、小麦の香りが豊か。縮れ麺が鶏油とコクのある醤油スープとしっかり絡むことで、口の中いっぱいにうまみが広がります。

丼の中でひときわ目を引くトッピングの牛頬肉。じっくり煮込まれ、箸で持つとほろっと崩れるほど柔らかく、口の中でとろけるように消えていきます。
ラーメンのお供に!しっかりした味付けの「チャーシュー煮込みご飯」
ラーメンと一緒に味わいたいご飯ものが「チャーシュー煮込みご飯 300円(税込み)」。

甘辛く炊き上げた角切りチャーシューをご飯にたっぷりのせた一品。豚肉のうまみとタレの甘辛さが染みたご飯は、淡麗系スープのラーメンとの相性も抜群。サイドメニュー以上の存在感があります。
「やりたいこと」に真っすぐ向き合った先に見えた「ラーメンの道」
「奏」のオーナー浅野さんは、もともと塾のエリアマネージャーを務めていましたが、年間500〜600杯を食べ歩くほどのラーメンフリークでもありました。転機は、塾で生徒に「好きなことを仕事にして生きていきなさい」と語りかけながら、「自分自身は本当に好きなことを仕事にしているのか?」と自問し始めたこと。30歳を目前に、大好きなラーメンの道へ進むことを決意します。
塾を退職し、名古屋市内のラーメン店に就職。3年間にわたり大好きなラーメンと向き合い、2008年に独立。屋号は「一杯のラーメンで麺とスープ、具材のハーモニーを奏でたい」という想いから「らーめん 奏」としたそうです。中区新栄でお店を始めましたが、自身の理想とする味をさらに探究するためメニューを一新。「味やメニューを変えるとなると、今まで通っていたお客さんが違和感を持ってしまう」と常連客に配慮し、東区代官町へと移転します。
常にチャレンジを忘れずに研究を重ねながら、2015年7月に現在の場所へ。今もなお素材や配合を変えたりと「自分が本当に作りたい一杯」に向き合い続ける姿勢は変わりません。その絶え間ない探究心こそが「奏」の味を支え、多くのファンを惹きつけ続けています。次回は「らーめん 奏」浅野さんおすすめのラーメン店をご紹介します!
店舗名
らーめん 奏(かなで)
住所
名古屋市昭和区阿由知通1-9
営業時間
11:30〜14:00
定休日
火曜日
ライター名
南野武
※記事内容は配信時点の情報です。
番組紹介

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