本来の目的は?京都の伝統行事「五山送り火」

毎年、8月16日に京都で行なわれるのが、五山送り火。炎によって山に「大」の字や船の形などが浮かびあがる伝統行事で、観光客も多く訪れますが、これは霊をあの世へ送るという神聖な行事です。8月19日放送『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、その五山送り火にまつわる投稿を、つボイノリオと小高直子アナウンサーが紹介しました。
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まずは実際に京都で御霊を送ったリスナーから。
「今年は義ババ様(義母)の初盆だったので、如意ヶ嶽の大文字を臨む出町柳の鴨川河畔まで出かけました。
京阪(電車)を降りたらゲリラ豪雨(泣)。まさか義ババ様のいじわるじゃないよね。
まあ義ババ様とはいろいろあったけど、亡くなってしまえばお精霊様ですからね。
点火の8時ちょうどには雨も上がって無事に義ババ様の帰り道を照らしてくれました」(Aさん)
送り火に対して迎え火もありますが、あの世からは馬でやってくることになっています。
キュウリで馬を作るのはこちらにやってくるためで、帰りはゆっくりと帰っていただくためにナスで牛を作るという風習もありますね。
ある地域では自動車や飛行機を吊るしているそうで、そちらのほうが早く帰ってきそうですね。
昨年物議を醸したが…
そして、Aさんと同じ時間帯に行ったリスナーからの投稿です。
「16日の夜8時の京都市内、ご先祖様の精霊を五山送り火でお送りしました。7時台には雷を伴う豪雨がありましたが、8時にはなんとか収まりました。
昨年一昨年と物議を醸した観光ヘリも今年はなく、蒸し暑さが残る夜は静かな祈りの場となってくれました。
義母の初盆に三重へ帰ることはできませんでしたが、菩提寺の総本山である妙心寺でお迎えと送りの行事に家内は参加しました。
私は数日前に裏寺にあるB家の墓参りをして参りました。
永(六輔)さんもおっしゃったように、この日だけでも故人を思い出すことは大切だと思っています(後略)」(Bさん)
騒音の苦情が多く
Bさんの投稿にあるように、昨年の「五山送り火」では、複数の遊覧ヘリが飛行していたことで「音がうるさい」「行事にそぐわない」との苦情が多数届く騒ぎとなりました。
それを受けて、京都府と京都市が航空運送事業者に対して遊覧目的での飛行を自粛するように要請しました。
つボイ「京都市内のネオンも消して。よくキャンプに行ったら山の中で星がよく見えるのは、周りが暗いから。
だから五山送り火も街を暗くするとパーッときれいに浮かび上がるものですから、そういう配慮もあるんですよね。だから、ヘリコプターのバラバラっていう騒音もいらんのですよ」
空から観るときれいだからという理由で遊覧飛行をしていたのかもしれませんが、本来は霊を送るという厳かなものですので、やはり騒音はふさわしくなさそうです。
また永六輔さんの話題が出ましたが、現在放送中の朝ドラ『あんぱん』(NHK総合)で永さんをモデルにした人物が出演しているため、この後つボイは話題を移しました。
(岡本)
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