中田翔、投手の根尾、二遊間は誰?立浪ドラゴンズ春季キャンプの注目はコレだ

中田翔、投手の根尾、二遊間は誰?立浪ドラゴンズ春季キャンプの注目はコレだ

2年連続の最下位という、球団初“屈辱”の中にある立浪ドラゴンズ、3年目の春季キャンプが、今年も沖縄の地でいよいよスタートする。シーズンオフの大がかりな戦力補強もあって、注目したいポイントは多い。

見参!背番号「6」の打撃

「サンデードラゴンズ」より中田翔選手と立浪和義監督©CBCテレビ

真っ先に見たいのは、新しい背番号「6」のユニホーム姿である。讀賣ジャイアンツとの間で残っていた複数年契約を解除して、自由契約選手となってドラゴンズ入団を決めた中田翔選手。プロ入りした時と同じ背番号を背負う。

ここ数年のドラゴンズの課題が打線の弱さであることは明白で、チーム打率はリーグ最下位、さらに本塁打数や得点数はリーグどころか12球団でも最も少ないのである。そこに加わる中田選手は、過去に打点王を3回取ってきたスラッガーである。竜の仲間入りが決まった時に、中田選手が発した「打点にこだわる」というコメントが頼もしい。「6」の背番号は間違いなく似合うことだろう。

根尾と梅津、ブルペンで最注目

「サンデードラゴンズ」より梅津晃大投手©CBCテレビ

ブルペンで注目したいのは2人の投手、根尾昂投手と梅津晃大投手である。根尾投手は、甲子園での大活躍を引っさげて入団して早や6年目、投手に転向してから初めての1軍キャンプとなる。1年前の2軍キャンプでは投球を崩すこともあったが、シーズン終盤には、先発としてバンテリンドームのマウンドにも立って好投を見せた。先発ローテーション入りをめざすための体力作りの成果が、いよいよ1軍の北谷ブルペンで発揮される。

もうひとりの梅津投手は、右ひじの手術などを経て、2023年9月に3年ぶりの勝利を手にした。その力強い投球には、他球団からも警戒の声が上がるなど、完全復活と同時に、先発投手陣の中心選手に躍り出る可能性もある。

ドラフト1位ルーキー、草加勝投手の離脱はとても残念だが、あえて“新戦力”としての根尾と梅津、両投手の投球が楽しみである。

二遊間は誰になる?

「サンデードラゴンズ」より龍空選手©CBCテレビ

今回のキャンプには大きな課題も残されている。二遊間を誰に守らせるか。立浪和義監督が就任して以来2シーズン、その答は出ないまま3年目を迎えることになった。ショート出身の立浪監督にとっては、セカンドとショートの二遊間に不動のレギュラーを確立することは“至上命題”だろう。

龍空、2年目を迎える村松開人と福永裕基、助っ人のオルランド・カリステ、さらにケガからの復活を期す田中幹也、そんな各選手に加えて、ドラフト2位と3位の津田啓史と辻本倫太郎という新人選手が加わった。8年目となる石垣雅海選手もいる。オープン戦が始まる頃には、最終候補の2人を確定させて、実戦の中で磨きたい。

ペナントレース開幕までの時間はありそうで少ない。立浪竜3年目、逆襲のため最大のキーポイントと言える二遊間問題、キャンプでは誰がどの内野ポジションで守備練習に入るか含めて、見逃せない。

連続最下位の屈辱から

そして、最も注目したいのは、チーム全体の空気感である。最下位という位置は「リーグで最も弱い」ということである。2022年に9だった負け越し数は、2023年には26まで積み上がった。2年連続の最下位という現実、さらに、それは1軍だけでなく、2軍でも同じ、2年連続の最下位だった。戦力の底上げという意味でも、チーム全体の力が、他球団よりも劣っているという厳しい現実がそこにある。

気になっていることは、オフに入ってからここまで、選手たちの各種イベントへの参加など、ほぼ例年と同じように進んできたことである。最下位チームに必要なものは、練習のみである。

最下位チームが成すべきこと

ひと足早い沖縄の春が待っている。例年通りの春季キャンプをしていて「下剋上」が成るほど甘くはない。“よほどのことをしないといけない”キャンプ、それが、1軍の北谷、2軍の読谷、それぞれの練習に求められている。

長きにわたる低迷が始まって以来10年余、ドラゴンズの春季キャンプで“猛練習”に出合った記憶はほとんどない。今でも、かつての落合政権時代の「失神ノック」が語り草になっている。練習は噓をつかない、と多くの名選手が口にしてきた。2年続きの屈辱からの脱出へ、キャンプでは、どうかファンの目にも見える力強い“気概”を見せてほしい。

春季キャンプが始まると球春到来、しかし、この球春は実に短く、あっという間に終わる。立浪ドラゴンズの春季キャンプが順調に、かつ、激しい“氣”にあふれたものとなることに、心から期待したい。                        
  
【CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

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