物価高の中、米の価格高騰が家計を圧迫しています。食料支援の現場では今、何が起きているのでしょうか?(若狭敬一アナウンサー)「訪れたのはセカンドハーベスト名古屋。今まさにパンが運ばれてきました。毎日運ばれてくるんですか?」(セカンドハーベスト名古屋松岡篤史理事)「山崎製パンさんは毎日頂いています」子ども用のお菓子も…世帯ごとの事情に合わせて食料支援名古屋市北区の「セカンドハーベスト名古屋」。企業や個人から寄付される食料を支援が必要な人たちに届けるNPO。いわゆる「フードバンク」です。昨年末の12月25日に取材すると…(松岡理事)「こちらが個人支援になります」(若狭)「こうやって仕分けされているんですね」ガスや電気が止められた人には、水だけで食べられる食材を選び、シングルマザーの世帯には、主食だけではなく子ども用にお菓子も加えるなど、各世帯の事情に合わせます。年々減る物資の寄付…3割も減少しかし、今こんな問題が…(松岡理事)Q.ことしの物資供給の特徴は?「ことしは少ないです。とても少ない。毎年500トン目指していますし、実際(在庫が)あったんですよ。去年から500トン切りました。ことしは410トン。3割減に近いですね」物価高や企業の食品ロス対策で備蓄が減る一方、支援を求める層は増えていると言います。(松岡理事)「若い世代が今多いですね、仕事がなくなったとか。コロナの時はクビになったとか仕事がなくなった方が多かったが、今も多い」“働く貧困層” 物価高で生活苦に支援を求める人に今増えているのが、働きながら貧困状態にある、いわゆる「ワーキングプア」の人々。日本の平均年収は2024年478万円と過去最高になったと言いますが、年収200万円以下のワーキングプアは全体の2割。数としては増えていませんが、急激な物価高で以前にも増して生活は苦しくなっているのです。「3日前から米が一粒もなくなり…本当に感謝しかない」【食品を受け取った方からの声】「今、米がとても高いので5キロとても助かりました」「特に今お米が高いので、とても嬉しかったです」「お米5kgは助かりました」「米が一番でした。3日前から一粒も無く涙が出ました。本当に感謝しかありません」(若狭)「お米に日本全国振り回されているが、より生活困窮者は死活問題になっている?」(松岡理事)「そうですね」高値が続く米は寄付が減っていて、政府の備蓄米が届いても、支援の現場はギリギリです。(松岡理事)「12月31日、大晦日に頂けるお米があって、1トンもあるんですよ」Q.それは銘柄米で新米?「新米です。バリバリの新米です」「一番おいしい新米を食べてほしい」1トン寄付の農家も向かった先は三重県の木曽岬町。米の寄付を申し出たのは、農業法人木曽岬農業センターの古村精康社長。農地は約300ヘクタールで、バンテリンドーム約65個分。GPS搭載の自動運転トラクターなどを使った、スマート農業に取り組んでいます。(木曽岬農業センター古村精康社長)Q.寄付されるお米は?「新米です。せっかく食べてもらうなら、うちの一番美味しいことしの新米、1等米を食べていただこうと思って」積み上げられた1トンの新米のコシヒカリ。全て支援を必要とする人々へ寄付されます。「『おかわりしていいよ』の一言が言えない状況でしたが…」実は古村社長、毎年1トンの米を贈り続けて4年。そのきっかけは、シングルマザーから届いたメッセージでした。【メッセージ】「今日は心に染みるご支援、本当にありがとうございました。コロナで仕事を失い、子ども達にも我慢ばかりさせていたので、お米はとても助かります。『おかわりしていいよ』の一言が言えない状況でしたが、しばらくはお腹いっぱい食べさせられます」「お米大好きなのでありがとうございます」(古村社長)「食べ物に困るようなお子さんがたくさんいるというのは、考えもしなかったので心が痛む思いがしました。とにかくお子さんにお腹いっぱいお米を食べさせてあげてほしいと思います」フードバンクはひとり親の「命綱」ワゴン車に新米を積み込み向かったのは、ひとり親の支援団体です。給食のない冬休み。食料支給は子どもを抱える母親にとって、まさに『命綱』となっています。「お餅」「スパゲティもあるよ、カレーも」「お菓子~」「ママはお米かな。お米が一番嬉しい」寄付1トンのうち、まずは600キロが到着。250世帯の食卓を支えます。(愛知県母子寡婦福祉連合会山本広枝理事長)「働けども貧困ですよね。働いているのに貧困の家庭は、物価高でさらに増えていると思います。最低賃金は上がったのに(勤務の)時間調整をされたり、収入が変わらない、もしくは下がっている方の相談を受けます」生活困窮者への“炊き出し”にも物価高の影響深刻な貧困問題は母子家庭に留まりません。この日最後に向かったのは、名古屋市中区の公園で行われた恒例の炊き出し。生活困窮者の支援を続け、今年で51年目を迎えました。この日の夕食は、炊き立てのごはんに牛肉と野菜の煮込み料理。利用者は…(利用者)「助かりますね。みんな食べられる人ではなく、食事が食べられない人が来ている」「物価高で農家の人には作ってもらって、ありがたいと思います。迷惑かけていますけど、よろしくお願いします」ここでも物価高を背景に、食料品の寄付が減り続けていました。(野宿者を支援する会)「ここが食品を保管するスペースです。4割減っています」かつては床一面に積み上げられていた食料品ですが、その量は前年の4割減ったといいます。インフレに物価高…広がり続ける貧困年が明けた1月4日。支援者が新米を届けたシングルマザー。子どもがインフルエンザになってしまい取材には行けませんでしたが、メッセージが届きました。【メッセージ】(母)「大事に育てたお米を頂いたので、息子たちと一粒一粒、感謝の気持ちを持っていただきます」(息子)「これからも、おいしいお米を作ってください」(母)「本当にありがとうございました」インフレと物価高が収まらない中で広がる貧困。成長戦略に目を向けるだけではなく、足元の困った一人一人を救う政策が求められています。CBCテレビ「newsX」2026年1月5日放送より