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ドラゴンズ沖縄キャンプ総括~新たな戦力はいつ飛び出してくるのだろうか?

ドラゴンズ沖縄キャンプ総括~新たな戦力はいつ飛び出してくるのだろうか?
論説室コラム

ドラゴンズ沖縄キャンプ総括~新たな戦力はいつ飛び出してくるのだろうか?

 2020年2月28日(金) 16:14
北辻 利寿
北辻 利寿

新型コロナウイルスが沖縄県にも観光を中心に大きな影を落とす中、中日ドラゴンズは北谷町と読谷村で行った2020年の春季キャンプを打ち上げた。

「100点に近い」と与田監督

2年目を迎えた与田剛監督は「100点近い数字をあげてもいい」とキャンプを総括した。新監督だったちょうど1年前「70点」と評価したことから見れば、相当な手応えがあったと思われる。即戦力の補強なきままに新しいシーズンを迎えるドラゴンズ。選手個々のレベルアップは当然のことだが、当コラムで1か月前のキャンプインの際に挙げた3つの課題はどうなったのだろうか?検証してみたい。

抑え投手は岡田?藤嶋?

筆者撮影:沖縄・北谷球場

1つ目は「絶対的な抑え投手」である。
過去にいち早く「投手分業制」を採り入れたドラゴンズにとって、この存在は球団史から見ても特に重い。しかし、2018年シーズンで引退した岩瀬仁紀さん以降、ドラゴンズに“守護神”がいない。そんな中、2019年は1点差での負けが27試合もあった。
では2020年シーズンで“抑え”役は誰が務めるのだろうか。キャンプ終了時点では、候補は昨季も後半にクローザーだった岡田俊哉投手と、中継ぎからの転身を狙う藤嶋健人投手の2人であろう。母国キューバからの五輪出場を抱えるライデル・マルティネス投手は動向が不透明。結局、キャンプ中に青写真を見ることができなかった。

重要課題の正捕手は混沌

2つ目は「正捕手」である。
選手兼任監督も務めた谷繁元信さん引退後、こちらは抑え投手以上に長い“空席”が続く。昨季はチームトップの92試合に出場した加藤匠馬選手も2月21日のオープン戦後に2軍落ち、再調整となった。その後は複数の捕手が交代でマスクをかぶっている。そこからは誰が開幕マスクに選ばれるのか、見えてこない。「正捕手」が必要なことは言わずもがなであるが、それを選ぶことができない現実は今なお続いている。
そんな中、背番号「44」、ドラフト4位ルーキーの郡司裕也選手が、キャンプを1軍で“完走”したことは明るい材料であろう。新人の開幕マスク、その可能性はある。

新たなレギュラー登場せず


筆者撮影:沖縄・北谷町役場

3つ目は「チームに勢いをつける起爆剤」すなわち“新戦力”である。
7年連続Bクラスのチームには、否定しようにもし切れない“負け癖”が潜在しているはずだ。その意味で、オープン戦の初戦となった北谷球場での阪神タイガース戦で、スターティングメンバーの顔ぶれを見た時は、ショックを受けた。打順こそ入れ替わったものの、野手はすべてのポジションが昨季の中心メンバーとまったく同じだった。内野はダヤン・ビシエド、阿部寿樹、高橋周平、京田陽太、外野は福田永将、大島洋平、平田良介の各選手。そこに根尾昂選手はじめ若く新しい顔はいなかった。
主力選手は自ら調整方法を知っていて、きちんと仕上げてきた結果であろうが、あえて厳しく言えば、昨季5位だったチームのレギュラーなのである。スタメンに新たな顔が1人でも2人でも加わらなければ、5位チームがAクラスに入ることはあっても優勝を勝ち取ることはむずかしいのではないか。これからのオープン戦で、若手選手の奮起を強く期待したい。同時にオープン戦だからこそ、若竜たちに積極的にチャンスを与える“攻撃的な采配”をベンチには強く期待したい。5位のチームに失うものは何もない。

石川昂弥の1軍合流ならず

“新戦力”という意味では、2020年キャンプの前半、話題の主役は、ドラフト1位で入団した石川昂弥選手だった。背番号「2」の打撃練習には2軍の読谷球場を訪れた多くの人たちが魅了された。しかし、キャンプ中盤に左肩の違和感を訴え、診断の結果、左肩腱板炎と診断されて打撃練習を控える期間が続いた。キャンプ中には1軍合流とも見られていただけに、ファンはもちろん、首脳陣にとっても残念なことだったであろう。決して焦ることなく、しかしチームを背負う根幹選手というものは、若き時代から存在感を放つ。高卒ルーキーを4番の座に据えるような、そんな夢のあるドラゴンズも見てみたい。

北谷町の熱き夢と期待

筆者撮影:沖縄・北谷町役場

1軍キャンプ地の北谷町役場は、例年以上に盛り上がっていた。役場玄関の大きな柱には与田監督はじめ主力選手の大きな写真が貼られて、実に壮観な眺めである。ドラゴンズキャンプを盛り上げる現場リーダー、観光振興係長の上地勝樹(うえち・まさき)さんは読谷村出身。大学生だった4年間、2軍キャンプの読谷球場でボール拾いのアルバイトをしたと言う。思い出に残る選手は、今季から1軍内野守備走塁コーチの荒木雅博さん。入団まもない頃から、とにかく連日しごかれていたと言う。荒木さんのキャンプでの猛特訓は2004年に就任した落合博満監督時代に有名だったが、それは入団当時から続いていたのだ。その意味で、今回のキャンプ、そこまでの猛特訓をした選手はあまり目につかなかったことに気づいた。
ドラゴンズが北谷町でキャンプをするようになってちょうど25年になる。
「節目の年だけに、秋には是非、北谷でも勝利を祝いたい」
日に焼けた上地さんの笑顔に「昇竜復活」への強い期待を見た。

日本列島を席巻している新型コロナウイルスの影響で、オープン戦はすべて無観客試合となった。3月20日に無事にシーズンが開幕できるのか、不安も残る。しかし、昔から竜は嵐を呼び天に昇ると言われている。波乱のシーズン幕開けだからこそ、ドラゴンズには暴れまくる強き竜になることを期待したい。

【CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

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