CBC web | 中部日本放送株式会社 / CBCテレビ / CBCラジオ

セ・リーグ最多勝利数を誇る、ドラゴンズ柳裕也を変えた「5歩」と6月の現状

セ・リーグ最多勝利数を誇る、ドラゴンズ柳裕也を変えた「5歩」と6月の現状
とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録

セ・リーグ最多勝利数を誇る、ドラゴンズ柳裕也を変えた「5歩」と6月の現状

 2019年6月25日(火) 10:10
澤村 桃
澤村 桃
CBCテレビ:画像 『サンデードラゴンズ』

「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム

交流戦終了し、ファイターズ戦を三連勝で締めトータルで8勝10敗という結果を残した。怪我人が相次ぐ中で平田選手の復帰もあり、何とか持ち堪えたというところではないだろうか。そんな中与田監督は「優勝に向けて最後まで諦めない戦いをすること。それだけです。」
と話す通り、優勝を見据えた戦いをしていく上で今現在の借金8は重くはある。

その中で明るい材料もある。離脱していた平田選手の復帰からチームは3連勝を決めた。そして復活を待ち焦がれた選手たちが次々と実戦で成績を残している。松坂投手、藤嶋投手、小笠原投手はファームの試合で登板している。
先週の悪い流れの連敗を食い止めてくれた柳裕也投手は、そんなチームを開幕からここまで確かに引っ張ってくれた。結果として、セ・リーグでもトップの勝利数を残している。心強い軸になる投手とベテランや若手投手の競演でここからの上昇に期待してもいいのではないだろうか。

闇は抜けきったと信じて、今週のサンドラを振り返る。

柳裕也を変えた5歩、6月の現状

「サンデードラゴンズ」より中日・柳裕也投手と「5歩」©CBCテレビ

即戦力投手として期待され入団した柳投手。しかし、怪我もあり二年間で3勝とその実力ではものたりなく感じてしまうシーズンを送った。そこで柳投手はオフにこう考えた。
「練習する姿、試合に臨む姿、準備をする姿を見ていて吉見さんから学びたい。」
変わるきっかけを求めて吉見一起投手の自主トレへの参加を志願する。

自主トレで柳投手が得たものは、2つの面で生かされることとなる。

まずは技術的な部分だ。昨年まで怪我に悩まされてきたため体を小さく使っていたのだが、今年は胸を張って体を大きく使って投げている。同じく怪我と闘ってきた吉見投手だから吸収できたのだろう。

そしてもう一つは目標へのアプローチ法である。
順を追って説明していく。まず、最終目標【具体的には、今シーズン150イニング投げ切ること】を設定し、そこに至る5段階の成功のプロセスを組立てる。
次に5つの段階を、1歩目は自主トレ当日、2歩目開幕日、3歩目オールスター休み、4歩目9月中旬、5歩目今季最終日と定める。そしてそれぞれの段階での具体的な目標、周りから掛かる声、自分の気持ちを想像して実際に歩んでいくというトレーニングであった。

柳投手は具体的にそれぞれの段階を次のように語った。

2歩目の開幕日は、目標の開幕ローテーションに入りに対し、「ここから一年間頑張るぞ」という気持ち、周りは期待の声の半面あまり期待されていないところからスタートしました。柳投手が実際にもそうだったと語るように過去の成績から判断してここまでの活躍を皆が予想していたわけではなかった。

3歩目オールスター休みには、目標とする80イニング登板、「まだまだこれから。順調にきてるのでやりきりたい!」という気持ち、周りの声は『この調子でいけるじゃないか』という信頼されてきた状態を想定していた。

これを聞いて?が浮かぶ人もいるのではないか。現状とのあまりの合致具合に目標なのか、現実の気持ちなのかわからなくなるほどの達成度なのだ。それほどに現実を見つつ、高い目標を達成するための準備を柳投手は怠らずに粛々とやってきたのだろう。目標を上回る86イニング当番をクリアしながらも落ち着いてこう語った。

「大変な道のりではあったが、ああいった目標設定をしたからこそ今がある。」

そうなのだ、柳投手は最終目標の道中にいる。慢心することなくその方向へ一歩ずつ向かっているだけなのだ。ただそんな中で、今シーズンの転機となる試合があった。

イライラして「ボールかせよ!」と言ったことを猛省させたある投手たちの姿

5月4日ナゴヤドームのスワローズ戦。見ているファンも感じ取れるほどに、柳投手はイライラしていた。(6回被安打10 8失点KO)

「顔が熱いんですよ、耳のあたりも熱くなってきて血が登っているというか。僕が打たれているんですけどイライラしてきて加藤さんのやることなすことがイライラしてきて。加藤さんと仲がいいのでそれが前提なんですけど(笑)テンポが合わないとボールかせよ!ってやってたんですけど自分の未熟さが出たなって思います。」

その試合の後、大野雄大投手の完封試合(5月7日)、カープ大瀬良投手の完投試合(5月8日)と印象的な投球に対し柳投手はこう語る。

「自分との差を感じた。マウンドにいる姿の。二人からチームを背をって投げている雰囲気がすごく伝わってきました。僕もそういう存在になりたい。だからこの試合(スワローズ戦)があったから成長できたという試合にしないと価値がない。」

そう意気込んだ後の結果はしっかり86イニング登板の目標達成に繋がっている。

話を戻そう。最後の”5歩目” のゴールに見ているシーンについて柳投手は目を輝かせて語る。

「(目標とする150イニングを投げきり)良くやったという声、ナゴヤドームのファンの声も聞こえて来年も頼むぞという期待の声もある。開幕日の自分とは違った自分がいた。」

恐ろしくなるほど鮮明に、柳投手にはその景色が見えているのだ。ひたむきな姿勢で真っ直ぐに歩んで、私たちファンにもその美しい景色を見せて欲しい。その瞬間を柳投手の想像を超えるような喝采で迎えたい。

澤村桃

 前の記事

次の記事