中日クラウンズの歴史

安田春雄、
バーディラッシュのレコード優勝

1970
第11回大会
安田春雄
安田春雄
Haruo Yasuda

大会概要

会場 名古屋ゴルフ倶楽部和合コース
6,530Yards Par70(35 - 35)
賞金総額 ¥19,000,000
期日 4月26日~29日
カット 2オーバー142までのプロ45名とアマ上位5名 計50名
出場者数 103名(アマ26名)

大会スコア

1位 安田 春雄 68-65-62-73=268 ¥2,000,000-
2位 鈴村 照男 70-71-66-64=271 ¥1,200,000-
3位 石井 弘 65-70-68-69=272 ¥1,000,000-
4位 河野 高明 67-67-71-70=275 ¥700,000-
4位 謝 敏男 67-68-71-69=275 ¥700,000-
6位 ※何 明忠 71-66-69-70=276 ¥0-
6位 謝 永郁 71-68-68-69=276 ¥375,000-
6位 藤井 義将 65-71-70-70=276 ¥375,000-
6位 内田 繁 70-68-69-69=276 ¥375,000-
10位 John Lister 68-72-67-71=278 ¥240,000-
10位 David Graham 69-68-71-70=278 ¥240,000-
12位 鷹巣 南雄 70-71-65-73=279  
12位 韓 長相 71-67-72-69=279  
12位 能田 征二 71-71-67-70=279  
15位 張 春発 68-70-72-70=280  
15位 島田 幸作 69-67-70-74=280  
15位 昼川三津男 72-69-68-71=280  
15位 Walter Godfley 72-69-67-72=280  
19位 石井 朝夫 73-69-69-70=281  
19位 日吉 定雄 71-67-72-71=281  
  • ベストアマ 何明忠 276 6位タイ

1R

20人もの海外の強豪が参戦し、東洋のマスターズとして定着した大会。雨上がりの初日は、ベテラン藤井義将と前年日本プロを制した石井弘が、ともに6バーディ、1ボギーの65でトップに立った。藤井はミドルアイアンとパットが好調で、2番をイーグル逃しのバーディ、5番もグリーンエッジからウエッジでチップイン。9、10、12、17番も約3メートルのバーディパットを沈めた。一方の石井は、1、2番と連続バーディを奪い幸先の良いスタートを切ると、4番では難しい6メートルのロングパットを決め自信を深めた。インに入っても11、13、16番とバーディパットを沈めた。1打差の66で3位につけたのは、杉原輝雄とテリー・ケンドール。さらに1打差の5位タイには、杉本英世、青木功、河野高明、謝敏男ら4人がつけた。

2R

2R

大ギャラリーを引きつれて18番グリーンに向う安田春雄。

初日はアンダーパーが22人を数えたが、この日も通算のアンダーパーが21人とレベルの高い激戦となった。初日飛び出した藤井、石井はショットが冴えず首位から転落。代わってトップに立ったのは、65をマークした安田春雄だった。安田は2番でエッジからチップインのイーグル、16番ミドルではビッグドライブを見せワンオンするなど大技小技ともに冴えを見せ、通算7アンダーでフィニッシュ。続いてマスターズで12位と健闘した河野が3アンダーの67を出し、1打差で2位につけた。また、初出場のグラハム・マーシュが安田と同じく65を出し、この日のベストスコアを記録。アマチュアでは、何明忠が4アンダーの好スコアで通算8位タイに入る健闘を見せた。第2ラウンドを終了し、通算2オーバー142までの48人(うちアマ3人)と、規定により通算4オーバー144までのアマ2人を加えた計50人が予選を通過した。

3R

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決勝ラウンドに入って猛然と追い上げた鈴村照男。

曇り後小雨の中行われた第3ラウンドは、安田のワンマンショー。驚異の8アンダー62のコースレコードをマークし、通算15アンダーで独走態勢に入った。1番バーディの後、2番ではイーグルを奪い、3番以降も快調なプレーを続ける。結局この日はノーボギーの完璧なゴルフで、他を圧倒。しかも、初日の16番から39ホールボギーなしという絶好調ぶりだった。ハイライトは8番ホール、右バンカーのアゴというピンチからチップインバーディを決めた。また、インでも11、14番ともに3メートルのバーディパットを沈めて力のこもったガッツポーズを見せた。パット数はアウト9、イン11の計20と驚異的なトーナメント記録。2パットは9、10、12番の3ホールのみだった。一方、初日トップタイの石井が68を出し、通算7アンダーで2位につけたが、安田との差は8ストローク。追いつくには厳しい状況となった。

4R

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プロの憧れであるクラウンの上で笑顔を見せる安田春雄。

最終日は、安田を一目見ようと、8500人のギャラリーがコースを埋め尽くした。その安田は、この日になって和合の難しさを思い知ることになる。2番でバーディを獲ったもののショットに本来の冴えが見られない。7番のショートホールではティショットを右のバンカーに落とし、通算46ホール目でついにボギーを叩いた。インに入り11番でバーディを奪うものの、13番から3連続ボギー。魔の17番ではバンカーにつかまりボギーとし、通算12アンダーまで後退した。伸び悩む選手が多い中、鈴村照男、石井、河野の3人は急追した。鈴村は5番までで4バーディ。インでも15番の3打目を10センチにつけバーディ。16番も山越えに成功し、ワンオンで連続バーディを奪い、3打差まで詰め寄った。だが、その後はバーディが続かず通算9アンダー止まり。石井は後半だけで3バーディ。河野も14番までに通算8アンダーとしたが、なんとか73でしのいだ安田には追いつけなかった。結局通算12アンダーで見事2年ぶり2度目の優勝を飾り、クラウンズ男と呼ばれれるようになる。ベストアマは何明忠が通算4アンダーで堂々の6位タイに食い込み、アマ史上ベストランクに輝いた。

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