• RSS FEED

中日クラウンズ思い出⑦

今回は2008年49回大会です。

この年はなんといっても、プロデビューの石川遼選手の初出場に注目が集まりました。予選ラウンド、いや、練習日、水曜日プロアマからものすごいギャラリー、初日早くも1万人を超えるギャラリーが詰めかけます。。

日本ツアーで「クラランズ」は、まずギャラリーの多さは毎年のように1位ですが、石川フィーバーは半端なかった、そしていきなり事件も、、、


 ジャンボ尾崎選手、深堀選手と同組の石川遼選手、15番の第3打地点、ラフに高さ3mくらいの木の下にボールが止まります。バックスイングが枝に当たりそうな位置。素振りをして、木には当たらないことを確認して、ショットしようとしたところクラブのヘッドが、木の枝に軽く当たります。思わず、スイングを止めた石川選手、この時に枝や、葉っぱが落ちたら、ペナルティです。肉眼では何も落ちてないように見え、同伴競技者のジャンボ、深堀両選手も「大丈夫、何も落ちてない」と確認。しかし、筆者が「何か落ちたらペナルティですね」と実況したのが、影響したのか、プレー後、放送センターのVTR室にJGTOの競技員が確認に訪れ、スローで確認。また、写真から何かか小さいものが空中に浮いているという某新聞社の指摘も、スイングの影響で浮遊したものか確認できず、ペナルティーは科されませんでした。(ちなみにバックスイングで木に当たり枝が折れたり、葉っぱが落ちても自然にショットを続ければペナルティにはなりません)2019年新ルールなら「肉眼で見えたこと」が優先なので、今なら確認作業は行われないはずです。その石川選手は初日71+1と出遅れます。

2日目予選カッツトラインが気になる石川選手、14番ホールドライバーティショットが、左に大きく曲がりまさかのOB(14番はジャンボ尾崎選手も若いころ大の苦手で、何度もOBを打ち優勝を逃しました。小さな祠お稲荷さんがあり、ジャンボファンが油揚げをお供えしたこともあるらしいです)これが響き18番でバーディを奪うも1打及ばず、初参戦のクラウンズは、ほろ苦い予選落ちとなりました。

実はこの大会、石川の1歳年上、今では世界トップの実力者、メジャー4勝のローリーマキロイ(北アイルランド)も出場していました。この時は、プロ入り直後、まだツアー未勝利でしたが、練習場で切れ味鋭いショットは目を見張るものがありました。自分の中ではすごい選手になるんじゃないかと予測していました。誰が見てもそうでしょうけど(笑)(記念写真、サインもらえばよかった)予選はクリアしましたが、上位進出はなりませんでした。

そして、最終日の最終ホール、「乾坤一擲のセカンドショット」の藤田寛之選手(当時38歳)が、バーディを奪い専修大学ゴルフ部の8年後輩、近藤智弘選手に追いつきプレーオフに突入、しかし中日クラウンズは10代のアマチュアの時から11年連続出場すべて予選通過という、地元愛知県東海市出身の近藤選手が、プレーオフ2ホール目6メートルの軽いフックラインを読み切りバーディで決着。何度も拳を握りガッツポーズ。愛知県出身選手初のクラウンズチャンピオンに輝きました。敗れた藤田は「追いついた自分をほめたい」この後、40歳以降で12勝を挙げる快進撃が始まります。近藤選手の構えたらすぐ打つ歯切れのいいゴルフは本当に爽やかでチャンピオンにふさわしいゴルフでした。

この実況で、私も「JRN,JNN系列アノンシスト賞テレビ実況部門」で優秀賞を頂きました。手前味噌です。

次回は、50回大会を振り返ります。

 

 

 

 

PAGE TOP