番組審議会

第60回CBCクラブ文化賞(くちなし章)に佐藤豊さんを選出

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東海地方において一芸一能に黙々と従事し、人知れずこの地方の文化の発展に貢献している方を発掘し、顕彰する、CBCクラブ文化賞(くちなし章)の97人目の受賞者に、日本舞踊狂言方の佐藤豊(さとう・ゆたか)さん(75)を選出しました。
佐藤さんは愛知県春日井市出身。昭和40年に日本舞踊狂言方となり、以降、主に中部地区の日本舞踊発表会で活躍されています。
日本舞踊の公演にとって、舞台進行すべての責任者である「狂言方」は大変重要な役目を果たします。幕引きや幕切れに冴えわたって響く柝(き)の音はいつも観客の心を躍らせます。その「柝を打つ」のはもちろん、花道を出たり、見得を切ったりするときは「ツケ打ち」で舞台効果を高めます。演者の個性による微妙な間合いも長年のキャリアで的確なタイミングで行います。
佐藤さんは、この地方で数少ない「狂言方」の第一人者、裏方に徹しこの道一筋、黙々と芸どころ名古屋を支え続けています。
贈呈式は来月1日(金)名古屋銀行協会内のホテルオークラレストランにて行われます。

受賞者氏名 佐藤 豊(さとう・ゆたか)氏
略歴
昭和18年 愛知県春日井市生まれ
昭和37年 高校卒業後、大道具・小道具製作会社㈱華新入社(小道具部)
昭和40年 日本舞踊狂言方となる。以後、小道具製作と共に、主に中部地区の日本舞踊発表会で活躍
昭和57年 囃子方住田(すみた)流笛方名取(住田豊)
平成15年 ㈱華新 定年退職
平成19年~21年 ㈱華新と業務委託契約
その後、現在まで地元の伝統芸能の舞台を数多く手掛ける。
主な公演 *「名古屋をどり」
昭和44年(第22回)~平成19年(第60回)まで
*「名妓おどり」
昭和41年(第9回)~平成11年(第39回最終公演)まで
*「金城おどり」
昭和45年(第13回)~平成16年(第47回)まで

CBCクラブ文化賞(くちなし章)について

CBCクラブ文化賞は、CBCクラブ(下記参照)が創設されてから3年後の昭和35年(1960年)に制定されました。CBCクラブ文化賞、通称「くちなし章」と親しまれているこの賞は、この地方にあって、一芸、一能に黙々と従事し、人知れずこの地方の文化の発展に貢献している方を発掘し、顕彰するというところに特色があり、他の文化賞とは一線を画すユニークな賞として評価を得ています。

くちなし章=口に出して大仰に伝えられなくとも、その一芸一能の芳しい香色は世の中の認められるところとなるという意味合いが、くちなしという花のもつ意味合いと合致し、CBCクラブ文化賞の象徴として選ばれ、徽章を贈ることとなりました。
なお、章は当時の院展院友の野村ショウ(公の下に木)韵(イン)画伯がクチナシの花と実を図案化したものを七宝で製作したものです。

CBCクラブとは

CBCクラブは、昭和25年に会社を創立した中部日本放送が「文化の発展と向上に寄与することが放送の使命」という企業姿勢に基づき、昭和32年に東海地方在住の芸術・文化・学術の分野を代表する145人で創設しました。
発足メンバーとして、後に人間国宝指定の栄誉に続いて文化勲章を受章する荒川豊蔵氏(陶芸)や名古屋初の藝術院会員に選出される鬼頭鍋三郎氏(洋画)、そして愛知県文化会館館長で徳川美術館初代館長の徳川義親氏といった方々がCBCクラブ会員として名を連ねていました。
平成31年1月1日現在、CBCクラブの会員数は288人。CBCクラブ文化賞選考以外の主な活動は、「チャリティ美術工芸展」などのチャリティ活動、「CBCこども絵画展」「CBC翔け!二十歳の記憶展(はばたけはたちのきおくてん)」(美術大学の学生を対象にした美術展)等開催による若手アーティスト育成支援、芸術・文化交流のための例会開催、地域の文化人を紹介するラジオ番組「文化・楽楽」の放送などで、これらの活動を通して地域貢献活動を行っています。

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