株式会社CBCテレビ
番組審議会
第719回CBCテレビ番組審議会
| 開催日 | 2026年6月11日(木) |
|---|---|
| 開催場所 | CBCテレビ役員会議室 |
| 出席委員 (敬称略) |
奥山景布子、島田佳幸、杉山直、髙橋智、 髙山樹里、永井淳、二之夕裕美、林友加 |
| 書面参加 (敬称略) |
岩永てるみ |
| 放送事業者側出席 | 杉浦会長、松波社長、礒貝取締役、 大園プロデューサー、中道ディレクター、 中野総合編成局長 |
| 議題 | 1. 番組審議 『焼ける海~美し国みえ 30年の憂鬱』 |
1. 番組審議
『焼ける海~美し国みえ 30年の憂鬱』
| 放送日時 | 2026年5月24日(日)放送分 |
|---|---|
| 放送エリア | CBCローカル |
| スタッフ | プロデューサー 大園康志(報道部) ディレクター 中道陸平(報道部) |
| 出演 | 語り 小倉久寛 |
《企画意図》
三重に3年間駐在し、継続的に海の現場を取材してきた記者が、夕方ニュースで積み重ねてきた特集報道をさらに深化させ、その集大成として本ドキュメンタリーを制作した。地域に根差した長期取材だからこそ捉えることができた“三重の海の異変”を通して、海洋環境の変化や地域産業の持続可能性といった、地域を超えて共有される普遍的な課題を視聴者に問いかける編成とした。
《番組概要》
“伊勢エビ”や“アワビ”といった豊かな海の幸で知られる三重県。
しかし近年は海藻が消失する「磯焼け」が進行し、それらの魚介類の水揚げが激減しています。取材を進めると、温暖化で魚の種類が変わっているだけでなく、カジメやアラメといった大型の海藻が広がる“藻場”が消失していることが分かりました。行政は“藻場”を取り戻そうと30年にわたってコンクリートブロックを投入する公共事業を続けていますが、その効果は。
番組は国や県への取材を通じ、現在の三重県の海のリアルな現状を追いました。
《審議委員の主なご意見》
- 30年前と比較して海の現状を見せられると、厳しい現実を突きつけられる
- 遠くから見ていた三重の海と現実の海が乖離していたことを知れた。さまざまな課題が描かれた重厚な内容だった
- 冒頭は、主題が見えるまでに時間がかかり過ぎて、途中で離れてしまった視聴者もいたのではないかと残念に思う
- 取材対象者が、顔を出して実名で出演されていることに、強い思いが伝わってきて頭が下がる一方で、SNSなどで叩かれないかと、心配にもなった
- 小倉久寛さんのナレーションが、煽ることなく、落ち着いた感じで深みを感じられてよかった
- 地元の人にとっては随分前から問題視されていたことであり、なぜ今、放送に至ったのか、その意図がわかりにくかった
- テレビの役割としては、行政と漁師という対立軸を作ってしまうのではなく、関係者に対する前向きな行動発意を示してほしい
- 「焼ける海」というタイトルがとてもインパクトがあった
- ナレーションにあった「懺悔、後悔、希望でできたコンクリートブロック」という一節が大変印象的あり、全体を表していたと思う
- 俳優を起用したナレーションも良いが、局内のアナウンサーにもこの役目を担える人材がいるのではないかと残念に思う
- ジャーナリズムとしては、解決策を示さなくてもいい。「何か、おかしい」と言えることが一番大事である
- 番組を見るまでは、三重の海で起こっている惨状をまったく知らなかった。多くの人に見てもらうためにもっと事前周知を行うべきだと思った
- 環境問題の提起よりも、行政に対する疑問や憤りの方がメインテーマに見えた。番組構成を変えた方が視聴者の共感を得られるのではないか
- 悲観的な事実ばかりを伝えるのではなく、何らかの改善策の提案や行政の展望など前向きな意見があれば救われる気がする
- 全体的なストーリーが雑駁な印象だったのが惜しいが、記者が見聞きしたものを素直に盛り込んだ結果なのだろうと思った
- このような社会課題に向き合うことはとても重要であり、今後もぜひ取材を続けてほしい
《放送事業者側の主な回答》
- なかなか効果の見えないコンクリートブロック事業の30年を検証したい、という思いがまずあった
- 放送を見た人がどのように動いてくれるだろうか、と自問自答しながら制作した
- 海の改善策は行政でも見出せておらず、番組の中でも示せなかったので、ぜひ追跡取材を続けたい