番組審議会

第646回CBCテレビ番組審議会

開催日 2018年12月14日(金)
出席委員
(敬称略)
鵜飼裕之、河本二郎、黒邉雅実、島田佳幸、
清水綾子、巣山芳樹、戸苅創、濱田典保、
水野明久
書面参加
(敬称略)
吉川トリコ
議題 1. 番組審議 ドキュメンタリー「つい、人は・・・」
2. 年末年始特別編成の説明

1. 番組審議 ドキュメンタリー「つい、人は・・・」

放送日時 2018年11月18日(日) 25時25分~26時20分
プロデューサー 藤井 稔(編成・制作局 制作・情報部)
ディレクター 柴田知宏(編成・制作局 制作・情報部)

《企画意図》

男性トイレの便器に的があると…つい、狙いたくなる。
バスケットゴールを見つけたら…つい、シュートを入れたくなる。
目の前に覗き穴があると…つい、覗きたくなる。
これらのような、思わずやってしまう心理を応用して人の行動を巧みに操る学問がある。
たった1人の大学教授が立ち上げた「仕掛学」という学問。人は他人から言われて素直に従うほど従順ではないし、上から目線で注意されると反発したくなるときもある。
しかし、「つい、したくなる」ように仕向ければ、人の行動を変えることはそんなに難しいことではない。本作品では、「仕掛学」を提唱する1人の大学教授の研究から「つい、したくなる」人の心の動きを描きます。ほんのちょっとのことで、人の心は動くのです。

《番組内容》

大阪大学・経済学部には他に類を見ないユニークな学問を研究する学者がいる。
「つい、したくなる」人の心理を応用し、問題を解決する「仕掛学」を提唱する松村真宏教授(43)である。松村教授が解決に挑むのは、身の回りのちょっとした問題がメイン。
ゴミ箱が近くにあるのに、なぜか道端にポイ捨てをされてしまう…
無料なのにお客さんからの反応がイマイチなパン屋の試食コーナー…
手の消毒液を置いても使う人はまばらなショッピングモールのフードコート…
これら大学内や近所の企業の困りごとに「つい、したくなる」仕掛けを作り、その効果を実験で検証している。
また、国内外にある巧妙な仕掛けを収集し、その事例をまとめた本も出版した。その評判は上々で、韓国や台湾でも翻訳されている。
13年前、たった一人で立ち上げた「仕掛学」。学会もなく、論文発表の場もないながらユニークな取り組みで孤軍奮闘する松村教授の研究を、ストーリーテラー・今野浩喜がお届けする。

《審議委員の主なご意見》

  • 「仕掛学」というおもしろいテーマを選んだと思う
  • 研究者を街の発明家的に紹介したのは優れた構成だったと思う
  • 楽しい発見をしている裏には苦労もあるが、結果として「仕掛学」が人々を楽しませていることを紹介したことはよかった
  • 「仕掛け」の見かけの面白さだけではなく、学問自体の内容の紹介も欲しかった
  • 「つい、人は・・・」となることの正体が何なのかが描けていなかった
  • マーケティングにも役立つ内容でもあるので、深夜ではなくビジネスマンが見られる時間帯で放送してはどうか
  • 内容が詰め込み過ぎで、話題はもう少し絞った方がよい
  • BGM、ナレーションのテンション、はさまれる寸劇等、番組のトーンが2、3年古い感じ
  • 教授本人への興味をわかせるために、彼が人工知能の分野から、「仕掛学」の分野に入ってきたことは前半のうちに紹介したほうがよかった
  • 説明や前置きが少し多く感じた
  • 日本人は手先が器用なので、「仕掛学」は日本人がリードできる学問ではないかと思った
  • ストーリーテラーの今野浩喜さんがいい雰囲気で引き込まれた
  • 今野浩喜さんのキャラクターは、与えられた役割と違うのではないかと感じた
  • 社会や歴史の断面を切り取ったり世相を問いかけたりするドキュメンタリーは、日常ぼんやり見るテレビでこそ生きてくると思うので、視聴率にこだわらず果敢に取り組んでほしい

~手話放送について~

・聴覚に障害がある人にこの番組について聞いてみたら、以下の感想があった

*通訳者の表現が豊かでわかりやすく安心して視聴できた

*途中で通訳者が交代すると意味がわかりにくくなることがあるが、1人で担当していたのでよかった

*手話を見るのか、字幕を見るのかは人によるので画面の手話を手元でオンオフできるといい

*テレビのサイズが小さいと手話の動きが見にくいのではないか

*手話放送は、耳の不自由な人もテレビを見ているということを知ってもらう効果がある

・音声情報を手話と字幕でどこまで伝えられるか、あるいは2つを使い分けるか融合か、工夫が必要

・視聴する上で、手話画面は気にならなかった

2. 年末年始特別編成の説明

番組編成担当が説明し、了承を得た。

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