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京田陽太がんばれ!ドラゴンズファンとして今こそ届ける叱咤激励の言葉

京田陽太がんばれ!ドラゴンズファンとして今こそ届ける叱咤激励の言葉
論説室コラム

京田陽太がんばれ!ドラゴンズファンとして今こそ届ける叱咤激励の言葉

 2022年6月20日(月) 17:20
北辻 利寿
北辻 利寿
「サンデードラゴンズ」より京田陽太選手©CBCテレビ

中日ドラゴンズの背番号「1」京田陽太選手が、バンテリンドームに帰ってきた。1か月半ぶりの1軍での戦場、日に焼けたその顔には笑顔はなく、強い決意が感じられた。

衝撃が走った“強制送還”

「戦う顔をしていない」あまりに厳しい指揮官の言葉と共に、京田選手が横浜スタジアムから名古屋へ“強制送還”されたのは、ゴールデンウィーク真っ只中の2022年5月4日のことだった。ショートゴロを弾いたミスが直接の引き金だったが、どこか元気のなさが漂っていた日々だった。過去にノックアウトされた投手のゲーム中の“強制送還”は記憶にはある。野手の場合は極めて異例だった。それだけ、その頃のプレーぶりが立浪和義監督の逆鱗に触れたのだろう。さらに登録抹消後に、内転筋の張りによって2軍のゲームにも出られずリハビリに入った。代わりに1軍でショートに入った三ツ俣大樹選手が生き生きと活躍したこともあって、ひょっとしたら、京田選手はもうドラゴンズの1軍のグラウンドには戻って来られないかも、とそんなムードもファンの間では漂い始めていた。

巨人相手の復活の一歩

「サンデードラゴンズ」より京田陽太選手他©CBCテレビ

しかし、交流戦を終えてリーグ戦の再開と共に、立浪監督は京田選手を1軍に呼んだ。思えば開幕から打撃に苦しみ、打率1割にも満たなかった4月上旬に、立浪監督はこんな言葉を残している。

「うちのチームで143試合ショートで出られる体力があるのは京田しかいない」

あそこまで厳しく叱責しながらも、京田に挽回のチャンスが与えられた。それだけ能力がある証しなのだろう。それを監督も認めている。讀賣ジャイアンツとの3連戦、「スタメンで使います」という立浪監督の事前公約通り、京田選手は3試合とも「8番ショート」でスタメン出場した。1本、2本、2本、すべての試合でヒットを打った。6月19日の3戦目、5回裏に打った右中間2ベースは“京田の打球”だった。しかし、京田選手に笑顔はなかった。1軍に合流した時に、円陣でチームメイトに語ったという言葉「戦う顔をしていなかったら言って下さい」。自ら「戦う顔」と口に出せるほどに覚悟を決めたのだろう。

衝撃の“力強さとスピード”

『aispo!』表紙の京田陽太選手©CBCテレビ

愛知県が発行しているスポーツ冊子『aispo!』から、原稿を依頼されて執筆したことがある。2018年6月、ちょうど4年前の今頃のことだ。それは「表紙の顔」という新しいコーナーで、第1回に選ばれたのがプロ野球であり、ドラゴンズの京田選手だった。新人だった前の年の大活躍を受けての表紙への採用だった。小タイトルに「衝撃の“力強さとスピード”」とつけて、文章はこう書き始めた。

「ダイヤモンドを疾走する姿に思わず目を奪われた。京田陽太である。」

新人王にも輝いたルーキーイヤーの2017年、京田選手にはグラウンドを駆け巡った印象がある。当時は長嶋茂雄さんが持つセ・リーグ新人安打記録に迫る149本を打ち、打率.264。三塁打の数がセ・リーグトップの8本というところにも、京田選手らしさが表れていた。しかし、その年をピークとして成績は下がり始め5年の歳月が流れた。期待が大きかっただけに、ファンの失望も大きかった。

厳しい声こそエネルギー源に!

「サンデードラゴンズ」より京田陽太選手©CBCテレビ

京田選手に対する厳しい声は年々多くなっていた。今回の1軍復帰に際して、強制送還からの2軍落ちという厳しい対応をした立浪監督ですら、「選手への集中攻撃はやめていただきたい」という、おそらくSNSの過度な書き込みを念頭にした異例とも言える呼びかけをしたことからも拝察できる。あえて竜党として京田選手に言いたい。ファンはもちろん自由に応援し発言する。時に温かく、でも時に厳しく、それがファンなのだから。しかし、思い出してほしい。2016年ドラフト指名の同期たち、同じチームの柳裕也投手を始め、大山悠輔選手(阪神タイガース)、濱口遥大投手(横浜DeNAベイスターズ)、吉川尚輝選手(讀賣ジャイアンツ)、そして床田寛樹投手(広島東洋カープ)名だたる顔ぶれの中からただ一人の“新人王”に選ばれたのは、貴方なのである。これからも“叱咤激励”が渦巻くだろう。しかしそれは注目されている裏返しでもある。“激励”だけに耳を貸すような図太さで、自信あふれるプレーを見せてほしい。

京田陽太、28歳、竜の背番号「1」、そして選手会長。4年前の『aispo!』の拙稿は、宇野勝さん、立浪監督、そして井端弘和さんらの名前を挙げた上で、こう締めくくっていた。

「遊撃手が輝く時代にドラゴンズは必ず天下を取る」。

立浪ドラゴンズをショートから引っ張る、その真剣で元気なプレーは必ずファンの心に刺さるはずだ。
                                 
【CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

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