ドラゴンズ又吉克樹が驚愕!「人間はあれほど体のキレを出せるのか」

ドラゴンズ又吉克樹が驚愕!「人間はあれほど体のキレを出せるのか」

年明け早々から恒例の鳥取のトレーニング研究施設「ワールドウィング」へ。ここは自身の体のベースを作る場。そして、より高みを目指すきっかけの場。

常連であるドラゴンズ又吉克樹投手が、思わず目で追い、声を掛けたのは、初めてこの施設へやってきたプロボクシング、WBCユースフライ級王者、日本フライ級1位の畑中建人選手だ。

建人選手の父親は、名古屋で初めて世界のベルトを巻いた元WBCスーパーバンタム級王者畑中清詞さん。国内初の快挙、親子世界チャンピオンを目指している。ボクシング界のホープのトレーニングでの動きを一目見た又吉投手、

「人間はあれほど体のキレを出せるのか」
「自分も、もっとキレを出せる!」

と貪欲なのだ。

パンチを繰り出す際の下半身の踏み込み力と、股関節の回旋、筋肉の使い方。
特に衝撃を受け、注目したのが、パンチを止めてから、打つ、戻す、この一連の流れだ。

野球との違いと共通点

畑中建人選手

ただ、大いに刺激を受けていたのは、当の本人、畑中建人選手の方だ。又吉投手からもらった言葉に満面の笑みを浮かべながら感謝する。

「めちゃくちゃ嬉しいですね。ただ、ボクシングの場合、止めてから動いているように見えますが、常に動きの中から自然に出てくるキレを意識しています。それとボクシングのパンチは、出した直後、戻す動きが入ります。野球との違いと共通点、又吉さんにいっぱい話していただきました」

「そもそも、今回初めて、岩瀬さんや山井さん、又吉さんに、ワールドウィングで色々と声を掛けていただき、基本的な動きを教わり始めたばかりですが、驚きばかりでした。
トレーニングをしているのはアスリートだけではなく、大ケガからのリハビリを頑張っていらっしゃるお年寄りもいました。そこで、凄かったんですよ。足がお悪くて、松葉杖で通っている方が、リハビリの後、自分で歩いて帰ってしまって、松葉杖を忘れていってしまったそうなんです」

笑顔で、畑中選手は続ける。

「ケガをする前の元気な頃の動きを自分の神経に思い出させることで、自分が元々持っている神経を再び最大限活かせるようにするってことなんですよね。プロ選手はその延長線上で、自分が持ってる力をトレーニングで呼び覚まして、パンチや投球の自分のMAXを超えていけるようにですね」

まさに、ワールドウィングの「初動負荷理論」における「弛緩~伸張~短縮」一連動作促進の基本なのだろうか。

もう一つ、又吉投手から受けた有難いテーマはこうだ。

野球のピッチャーもボクサーも、全て、自分の動き出しから試合がスタートする。その自分きっかけであることが、醍醐味、喜びだ。とはいえ、そうも見えるが、自分の始動にはいつも対戦相手とのタイミング、駆け引きが欠かせない。

どんなに完成されたフォームでも、相手との間合いに長けてこそ、投球やパンチが活きてくる。型のコンテストではないからだ。

ピッチャー又吉克樹とボクサー畑中建人

又吉克樹投手

この話を畑中選手から聞き、思い出すことがあった。

又吉投手でのマウンドでの所作だ。彼の見事な腰の旋回によりサイドハンドから放たれる美しいフォームの動き出し、必ず、サードベース方向を一度直視する所作を入れる。ここからすべてが始まるといってもいい。もちろん、サードランナーがいなくとも。

この小さな動から始まり、大きな動へ。全神経を集中するための動き出し。

ちょうど同じ時期、CBCラジオ「ドラ魂キング」スタジオにお越しいただいた川上憲伸さんに、ご自身のエピソードをうかがった。

「僕も海外自主トレで、他競技のトップの方からヒントをいただいていました。プロゴルファーのスイングの動きからヒントを得て、投球の始動に活かしました。ゴルフのアドレスからのバックスイングへの動き。掴んだのは、自分の間合いよりも、「前に」投げるという事です。自身の間合いよりも前とは?って。自分の間に先んじて、自分が動き出すという事です」

「自分に自分が遅れると、全てが後手後手になって、体がスムーズに動かなくなるんです。相手の打者や、ランナーのリードの動きが気になり過ぎるのもそれ。そして、他競技からのヒントを活かすには、大げさに、極端に試してみることですね。そうすると自分の変化がわかりやすい」

憲伸さんが実に分かりやすく例え、まとめてくれた。

プロ野球はまもなくキャンプイン。二人が今年の秋、お互いの試合を観戦し合える世の中になることを願って。燃えよ!ドラゴンズ!!

【CBCアナウンサー 宮部和裕 CBCラジオ「ドラ魂キング」水曜(午後4時放送)他、テレビ・ラジオのスポーツ中継担当。生粋の元少年ドラゴンズ会員。早大アナウンス研究会仕込の体当たりで、6度目の優勝ビール掛け中継を願う。】

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