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奥川?石川?ダブル獲得?ドラゴンズ2019ドラフト戦略への夢と期待

奥川?石川?ダブル獲得?ドラゴンズ2019ドラフト戦略への夢と期待
論説室コラム

奥川?石川?ダブル獲得?ドラゴンズ2019ドラフト戦略への夢と期待

 2019年10月16日(水) 10:10
北辻 利寿
北辻 利寿

毎年のことなのだが、この季節が来るとソワソワしてしまう。今年もプロ野球のドラフト会議が近づいてきた。

根尾獲得の余韻は今なお

CBCテレビ:画像 『チャント!』

2018年のドラフト会議は中日ドラゴンズにとって「120%成功」と評価されるものだった。地元・岐阜県飛騨市出身、高校球界のスーパースター根尾昂選手を抽選によって見事1位指名で獲得。その後も2位指名の梅津晃大投手はじめ有望な選手を着実に獲得できた。1年目から1軍で活躍した選手もいれば、来たるべき日に備えて2軍で研鑽を積んだ選手もいたが、チームにとっても、私たちファンにとっても、記憶に残るドラフト会議だった。

ドラフトもうひとつの大切な目的

ドラフト会議とは? もちろん「戦力補強」が大きな目的である。そしてもう一つ大切な目的がある。「チームに勢いをつける」ことである。
ドラゴンズで言えば、かつて1986年(昭和61年)ドラフトで、新監督の星野仙一さんが、5球団が競合した高校生左腕・近藤真一(現・真市)投手のクジを引き当てた瞬間が忘れられない。39歳の若き監督を迎えたドラゴンズファンはそのガッツポーズに拍手喝采、翌年夏のルーキー近藤投手のノーヒットノーランでのデビューへと夢を紡いでいったのだった。
他球団では北海道日本ハムファイターズが「その年の一番いい選手の獲得をめざす」という方針を貫いている。実に潔い。1位指名の抽選で度々勝利し、チームの勢いと魅力を全国のプロ野球ファンに披露してきた。ドラゴンズのフロントにも現場にも、是非そんなアピールを期待したい。

「戦力補強」と「チームに勢いをつける」という2つの観点から、2019年ドラゴンズのドラフトを展望したい。ポイントは2つである。

奥川投手で「投手王国復活」へ

まず「投手王国の復活」だ。
2019年シーズンは、覚醒した3年目の柳裕也投手が初の2ケタ勝利となる11勝を挙げ、前年は1勝もできなかった大野雄大投手がノーヒットノーランに加えて最優秀防御率のタイトルを獲得するなど左右の両輪が活躍した。2人とも投球回数170イニングを超えたことは立派である。
それに加えて若手投手の台頭。3年目の藤嶋健人、2年目の清水達也と山本拓実、ルーキーの梅津晃大と勝野昌慶といった投手が躍動した。「投手王国の復活」は手応え十分である。それをさらに推し進めるため、ドラゴンズは先のスカウト会議で1位指名を奥川恭伸(やすのぶ)投手(星稜高)や佐々木朗希投手(大船渡高)ら4人の投手に絞った。

「サンデードラゴンズ」より奥川恭伸投手©CBCテレビ

注目は奥川投手である。夏の甲子園マウンド、その堂々とした投球は見ていて気持ちの良いものだった。知名度も一気に全国区となった。ドラゴンズも長期にわたって手厚くマークしてきた。競合必至と見られるが、ドラゴンズには果敢に1位指名して抽選で勝ち取ってほしい。それが「チームに勢いをつける」である。

石川選手は「次の4番打者」へ

CBCテレビ:画像 『チャント!』

続いて「次世代の4番打者」である。2019年シーズンのドラゴンズはよく打った。
チーム打率.263はリーグでトップ。打撃ランキングの上位10人の中にドラゴンズから4人も入っている。しかし、その一方でホームラン数は90本とリーグどころか12球団で最も少ない。リーグ優勝した讀賣ジャイアンツ183本の半分にも満たない。1点差負けは実に27試合、サヨナラ負けも12試合あり、「あと1本」と切歯扼腕したゲームが多かった。
全試合出場のダヤン・ビシエド選手が4番に座ったが、併殺打の数は22もあり、決して「勝負強かった」とは言えない。ヒットを量産するビシエド選手は3番が似合うとの見方もある。そうなると「次の4番打者」がほしい。東京ヤクルトスワローズの2年目19歳、村上宗隆選手の存在がうらやましい。

「サンデードラゴンズ」より石川昂弥選手©CBCテレビ

その狙いでドラフトでは、地元・東邦高校のスラッガー石川昂弥(たかや)選手の獲得もめざしてほしい。「昂弥」の「昂」という字は、根尾昂選手の「昂」と同じ漢字だ。「昂」には「あがる」「日が昇る」という意味がある。ドラゴンズファンとしては、そんな縁にもすがりたい気持ちである。

夢は描いてこそ実現する

「投手王国の復活」「次の4番打者」この2つのポイントをクリアするには、1位奥川投手、2位石川選手のダブル獲得である。2人とも素晴らしい選手だけに、光輝く“二兎”を同時に得る可能性は相当きびしい。1位指名を誰にするのか、その戦略は他球団の動向を見極めながらギリギリまで練られるだろう。しかし、7年連続Bクラスという低迷から脱出し「昇竜復活」をめざすには、思い切った覚悟を持ってドラフト指名に臨んでほしい。
与田監督の右腕とスカウト陣の慧眼に期待して、運命のドラフト会議当日を待っている。

【CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

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