第205回(5/23)
あなたに忍び寄る恐怖!活性酸素対策マニュアル
ゲスト | 増田恵子 | プレゼンター | 六車奈々 |
健康を脅かす原因のひとつと考えられている活性酸素。様々な病気の原因を作りだし、動脈硬化やメタボリックシンドローム、がん等、ありとあらゆる病気に関係しているといわれています。
活性酸素とは?
空気を吸う時に取り入れる酸素。この酸素が体内で化学的に変化したものが活性酸素です。
私たちの体を構成する細胞。そのほとんどの細胞の中に含まれ、生体内のエネルギーを作り出す「ミトコンドリア」で活性酸素は生まれます。
呼吸で取り込んだ酸素は、ミトコンドリアでエネルギーを生み出します。このエネルギーは電気エネルギーで、電子となり放出されますが、その時酸素と一つの電子が結びついたものが「活性酸素」です。ここで問題になるのが「一つの電子」という部分です。
通常、電子は2つでペアとなって安定するのですが、活性酸素は電子が一つしかなく不安定なので、他の健全な細胞の電子を奪ってしまうのです。このような状態を「酸化」と言います。電子を奪われた細胞は、さらに健全な細胞の電子を奪う事で次々と酸化し、ついには細胞が死滅してしまいます。
このように細胞を破壊する活性酸素。これが全身でおこるとおびただしい数の細胞が破壊され、体は機能低下を起こし、様々な病気の原因となってしまいます。
また活性酸素は、老化とも密接な関係があります。
老化の原因は細胞数が減る事ですが、通常その減少のスピードは緩やかなものです。しかし活性酸素が増えると細胞総数が一気に低下。老化のスピードが早まり、体の至る所に悪影響が出てしまうのです。
活性酸素が要因の病気
がん・糖尿病・心筋梗塞・脳梗塞・肝炎・白内障・十二指腸潰瘍・白血病・アルツハイマー病・炎症・花粉症・喘息・アトピー・歯周病・リウマチ他。
例えば活性酸素が細胞のDNAを攻撃し続けると、突然変異でがん細胞になります。また、皮膚が紫外線を浴びると活性酸素が発生し、タンパク質や脂質を酸化させシミを作ります。
活性酸素には、外部から体内に侵入したウィルスや異物を攻撃し身体を守る働きがあり、活性酸素がなくては人は生きていけません。しかし増えすぎると問題になってしまうのです。
活性酸素は何故増えてしまうのか
活性酸素の原料となる酸素を多く取ると、増えます。
他にも、良くない生活習慣が偏った時に起こると考えられています。
(1)大食い
多くの食べ物を消化・吸収するためには、たくさんのエネルギーを必要とします。そのため、より多くの電子が放出され活性酸素が増えます。
(2)ストレス
人はストレスを感じただけでも活性酸素が増加します。
(3)タバコ
タバコを吸うと肺の壁に有害物質が付着します。それを除去しようと、白血球が多くの活性酸素を作らせます。
(4)激しい運動
激しい運動は、身体がより多くの酸素を必要とするので活性酸素は増加します。
しかしウォーキングなど適度な運動は、活性酸素に対する 抵抗力を高める効果があります。
その他、睡眠不足も活性酸素を増やす原因の一つです。
抗酸化能力
体内には、活性酸素による細胞の酸化を防ぐ抗酸化能力があります。
必要な栄養素の摂取で抗酸化能力を上げる事ができます。
活性酸素を減らすものとして、主にビタミンA・C・Eがあげられます。また植物に含まれるポリフェノールも、最近注目を集めています。
良い睡眠と適度な運動、そしてストレスのない生活で抗酸化能力を高めましょう。