第162回(7/12)
体温の謎を解け!熱中症対策マニュアル2009
ゲスト | 丘みつ子 | プレゼンター | パックンマックン |
熱中症を引き起こす3大条件は「気温」「湿度」「気流」です。
(1)気温
人は、体温が上昇すると、血流量を増やして体温を放出しています。ところが気温が上がると、血流からの熱の放出がスムーズに進まなくなります。すると今度は、汗をかくことによって、汗が蒸発するときの気化熱を使い、体温を下げます。
人間は生命活動の維持のため体内で熱を作り出していますが、体温の調節機能が破綻してしまうのが熱中症。熱がこもることで体温が42℃以上になると、死に至る恐れのある危険な症状なのです。
(2)湿度
湿度が上がると汗が蒸発しにくくなり、温度が体内にこもるため体温も上がります。
(3)気流
風速が1m/秒違うと体感温度が1℃違うと言われますが、風があると、体表面近くの湿度の高い空気の層が移動し、さらに汗が蒸発するため、涼しく感じるのです。
●熱中症を防ぐために (1)温かいシャワーと冷たいシャワー 冷たいシャワーを浴びると、直後は体温が下がりますが、5分後には、ほぼ元の体温に戻ってしまいます。 ところが温かいシャワーを浴びた場合、直後は体温が上がりますが、一定の時間が経つと下がってきます。 これは体表面の温度が上昇することで血流量が増加し、体内の熱を放出するためです。 |
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※ | 熱中症になりかかっている人が温かいシャワーを浴びるのは逆効果です。熱中症の場合には、冷たいシャワーを浴びるとカラダを冷やすのに効果的です。 |
また、温かい飲み物と冷たい飲み物も同様で、温かい飲み物を飲んだ時の方が、血管の拡張や発汗作用によって、次第に体温が下がる傾向にあります。日頃から汗を自然にかける体質にするには、常温~温かい飲み物を飲む方が良いでしょう。
(2)下着を着た場合と着なかった場合
実験によると、下着を着なかった時の方が、体温が上昇していました。これは、下着を着ていた時の方が、汗が蒸発しやすかったからと考えられます。
繊維の1本1本は空気に触れているため、空気に触れる面積が大きくなるように繊維が組み合わされていれば、それだけ汗が蒸発しやすくなるのです。
●熱中症を起こしやすい人
高齢者や乳幼児、また、睡眠不足の人や朝食を食べない人は、熱中症を起こしやすくなります。
普段から自分のカラダをケアするよう、注意しましょう。
●暑さ指数
暑さ指数とは、気温、湿度、気流、ふく射熱などから総合的に判断した、熱中症の危険度をあらわす指標のこと。
環境省のホームページなどで、チェックすることができます。