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18番の新たなワナ

2018/4/27 17:30
大会第2日 18番ホールセカンドショットを打つ石川遼

初日。和合に生まれた新たなワナに、主役≠ェいきなりはまった。

最終18番。石川遼がドライバーで放った1打目はフェアウエーの左サイドに構える改造バンカーへ。砂地は深く、アゴが迫り出してくる。「出すだけか…」。誰もがそう思った直後、石川はピッチングウエッジを強振していた。

「もしかしたら、いけるかもしれない。そう思うと、やらずにはいられない性格なんで」

ダボをたたいた。「(心に)傷を負った」と少し消沈した。でも、後悔するどころか、すがすがしい表情を浮かべていた。

2日目も同じバンカーに捕まった。ライが悪く、今度は安全策を選択したが、再びダボを喫した。

3日目、最終日―。18番の改造バンカーにつかまったら、石川はどうするのか。

「ライが良ければ、(ピンを)狙うかもしれないですね」。いたずらっぽく笑い、そう言ってのけた。

2010年大会最終日に「58」をたたき出し、ゴルフ界を震撼させた。ドライバーを握り、ひたすらピンだけを攻め抜いた。スコア、結果だけではなく、ファンは石川らしい挑戦心に魅了されたはずだ。

米国で悩み、苦しんだ末、「もう一度、自分自身を見つめ直す」ため、日本ツアーに帰ってきた。声援、注目が注がれる中、難局で選ぶ石川のプレーに、取り戻すべき原点≠ェあると思う。

松岡 祐司(中日スポーツ)

1999年入社。
水戸支局などを経て、2005年から東京中日スポーツ報道部。
プロ野球・ヤクルト、巨人担当を務め、2007年からサッカー担当。2011年サッカー・アジアカップ、2014年サッカー・ワールドカップ取材。
2015年からゴルフ担当。2016&18年マスターズ、17年全英オープン取材。

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