むかし、むかし。
栃木県宇都宮市久部に川が流れていました。
その川沿いに住んでいるおばあさん。
大変お金持ちなんですが、「ケチ」なんです。
ある日、疲れきったお坊さんがその家に来ました。
「水を一杯恵んではいただけませんか?」
「だめだ!だめだ!川に下りてその水を飲め!」
おばあさんは、井戸の水さえも人にあげるのを嫌がりました。
何度お願いしても、無視するおばあさん。
すると、お坊さんは呪文を唱えはじめました。
そして、川まで降りて、水面を持っていた杖で三回叩きました。
すると、川は干からびます。おばあさんの家の前だけ川がなくなった。
おばあさんの家までは川が流れ、なくなり、家を過ぎるとまた流れる。
そして、杖を地面に立てた。すると、その杖がいちょうの木になった。
その木に乳房がついた!そこから、水がしたたり落ちている。
その後、あのお坊さんは弘法大師だったことがわかりました。
おばあさんは、そこから悔い改め、慈悲深い人になりました。
栃木県宇都宮市 下野民話の会 有岡光枝氏
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