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特集
05/14/2003
02 理由があって、「三角形の家」

大家邸の外観です。建築中、大工さんは「タイタニック号」と言っていました。船の「へさき」みたいに見えますね。「ローコストだから、ただの『真四角の家』と思い込んでいたので、『三角形の家』のプランが出てきたときはびっくり。」と、大家さん。

建築家の光崎敏正さんが「三角形の家」を提案したのは、理由があります。分譲住宅団地の敷地は、四角い土地が規則正しく並んでいます。大家さんが選んだ土地はほぼ正方形で、ちょうど道路がカーブを描いて南に曲がっていく少し手前になりそうでした。(光崎さんがこのプランを考えたときは土地の造成中で、まだ道路もできていなかったのです。)
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だから、土地の形に合わせて東向きの家を建てるより、南に向けて開いた家のプランとした方が、第一に光が取り込めて明るい。第二に視線が道に抜けていき、ご近所の家の壁を眺めて暮らさなくていい。と、光崎さんは考えました。実際、「向こうの空まで見渡せて、広々とした感じがします。」と、大家さん。

南側の道路から見たところ。リビングの大きな窓は、きっちり南向き。

家の中から、庭を通して外を眺める。「三角形の家」の素晴らしさがわかっていただけたでしょうか。

「決して突拍子もないプランではないし、デザイン的にも良いと思い、光崎さんにお任せしようと思いました。」と、ご主人の充一さん。楽しそうな家づくりができそう!と、ますます家づくりに前向きになる大家さんご夫妻。

大家さんご夫妻は初め、いろいろな希望を出しました。例えば健康住宅にしたい、話題の珪藻土の壁にしたい、床暖房や暖炉や囲炉裏がほしい、薪ストーブが入れたい・・・などなど。「それを受けて、光崎さんが上手に、私たちに必要なものとそうでないものをわかるようにしてくれたんです。健康住宅は当たり前のことだと言われました。」と、大家さん。


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「三角形の箱をいかに単純化してコストを押さえるか。ローコスト住宅は、削ぎ落としになります。その基本は自分たちの生活にとって何がいちばん大事かという視点。そういう意味では、ローコスト住宅は設計者とクライアントの価値観が似ていないと難しいかもしれませんね。」と、光崎さん。
知恵を絞って、当初の図面(左)から最終図面に(右)。

そんなに大事でない部分は削り、大事な部分にお金を使う。最終的に設計・監理料、オーダーキッチン、造園も含めて約2000万円の家になりました。外壁は屋根と同じ墨色のガルバリウム鋼板。墨色、サッシのシルバー、コンクリートのグレーで統一されたきれいな外観です。

サッシは簡単に取替えのきかない大事なものということで、少し高かったけれど、特注品のシルバーを選びました。そんな努力が認められて、大家邸は生活の豊かさが実感できるゆとりある住まいとして、2002年すまいる愛知住宅賞愛知県知事賞(愛知ゆとりある住まい推進協議会)を受賞しています。


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