「健康診断」約6割に異常所見も…脳ドック受けた方がいい人は?病気のリスクを事前に見つける「春の健康診断スペシャル」

2024年3月17日(日)放送 【第598回】
「健康診断」約6割に異常所見も…脳ドック受けた方がいい人は?病気のリスクを事前に見つける「春の健康診断スペシャル」

サマリーSummary

ゲスト:天野ひろゆき
ドクター:アルファメディック・クリニック 日本人間ドック学会指導医 波多のぞみ
過去1年間に人間ドックなどの健康診断を受けた成人は約69%だそうです。さらに、定年を迎えた60歳以降は受診率が年々低下しますが、その年代こそ一番病気のリスクが高まる頃だとか。そこで今回のテーマは「春の健康診断スペシャル」中高年が注意すべき病気のリスクが分かる検査項目や年代別のオプション検査の選び方などを専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、アルファメディック・クリニック 日本人間ドック学会指導医 波多のぞみ先生です。

今回のテーマは「〜病気のリスクを事前に見つける!〜春の健康診断スペシャル」

過去1年間に人間ドックなどの健康診断を受けた成人は約69%だそうです。さらに、定年を迎えた60歳以降は受診率が年々低下しますが、その年代こそ一番病気のリスクが高まる頃なのだとか。そこで今回のテーマは「春の健康診断スペシャル」。中高年が注意すべき病気のリスクが分かる検査項目や、年代別のオプション検査の選び方などを専門医に教えてもらいました。

健康診断で病気のリスクを事前に見つけましょう

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

先生によると、健康診断を受けた人のうち約6割に異常所見が見つかるそうです。なかでも、特に多いのが中高年の男性なのだとか。そのため、中高年以上の人は健康を守るためにも年に1回健康診断を受けて、病気のリスクを事前に見つけましょう。

中高年が気をつけたい血液項目(1)肝硬変につながる「肝機能」

<肝機能に関する数値「AST」「ALT」「γ-GTP」とは?>
肝臓に関する数値「AST」と「ALT」は、どちらも肝臓で作られる酵素の事。肝臓が何らかのダメージを受けて細胞が破壊されるとこの酵素が放出され、血中濃度が上昇するのだとか。また、「γ-GTP」も同じく肝臓に関する数値だそうです。

<肝機能の基準値>
・「AST」 30U/L以下
・「ALT」30U/L以下
・「γ-GTP」50U/L以下
3つのうちの1つでも基準値をオーバーしていると脂肪肝が疑われるそうです。

<肝臓の数値が悪くなる原因は?>
肝臓の数値が悪くなる原因には「脂肪肝」が考えられるそうです。脂肪肝とは肝臓の細胞に脂肪が溜まった状態の事。放置すると、肝臓が硬くなって機能が低下する「肝硬変」、最悪の場合「肝臓がん」につながる可能性もあるそうです。日本人の脂肪肝の原因としては、お酒の飲み過ぎよりも食べ過ぎや肥満によるものが多く、20代の頃と比べて体重が10kg以上増えている場合は要注意なのだとか。自覚症状のない脂肪肝ですが、超音波エコーの検査で確認できるそうです。

中高年が気をつけたい血液項目(2)内臓脂肪を増加させる「中性脂肪」

<「中性脂肪」とは?>
中性脂肪とは、血液中に含まれる脂質の事。多い場合は脂質異常症と診断されるそうです。

<中性脂肪の基準値>
基準範囲 30〜149mg/dL以下
(※将来、脳・心血管疾患を発症しうる可能性を考慮した基準範囲)

<中性脂肪の数値が悪くなる原因は?>
中性脂肪の数値は、普段の食生活が関係しているそうです。そのため、揚げ物やラーメンなど、脂質の摂り過ぎには要注意。中性脂肪が多いと内臓脂肪も増加し、内臓脂肪の面積が100cm2以上あると「内臓脂肪型肥満」と診断されるのだとか(※内臓脂肪はCT検査で調べられるそうです)。摂取カロリーと消費カロリーを比べた時に、摂取カロリーの方が多いと内臓脂肪は増えていく一方なので、「カロリーを摂り過ぎない事」と「運動をする事」が大切だそうです。

中高年が気をつけたい血液項目(3)心筋梗塞につながる「LDLコレステロール」

<「LDLコレステロール」とは?>
LDLコレステロールとは、いわゆる「悪玉コレステロール」の事。血液中に悪玉コレステロールが多いと動脈硬化が進行。血管が狭くなり、脳梗塞や心筋梗塞などの命に関わる病気を発症するリスクが高くなるため、血液検査の中でも重要な項目だそうです。

<LDL悪玉コレステロールの基準値>
基準範囲60〜119mg/dL以下
(※将来、脳・心血管疾患を発症しうる可能性を考慮した基準範囲)

<LDL悪玉コレステロールが増える原因は?>
LDLコレステロールも食べ過ぎなどが原因で数値が悪くなるそうです。そのため、食べる量を抑える事と運動が大切なのだとか。先生によると、改善のためには30〜60分のウォーキングや、スイミング、ジョギングなどの有酸素運動を積極的に取り入れる事が大切だそうです。

中高年におすすめのオプション検査(1)「胃内視鏡検査」

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

胃内視鏡検査では、内視鏡で胃・食道・十二指腸を観察します。見つかるのは「ポリープ」や「胃炎」「胃潰瘍」「胃がん」など。胃内視鏡検査は、胃がんの早期発見にとても有効な検査で、50歳以上の方は2年に1回受ける事が推奨されているそうです。

中高年におすすめのオプション検査(2)「骨密度検査」

<骨密度について>
骨密度は、加齢とともに低下しやすいと言われています。骨粗しょう症の推計患者数は、約1590万人。その多くを女性が占めているそうです。骨粗しょう症になると、骨折しやすくなり、転倒して足を骨折すると歩けなくなって高齢者の場合寝たきりになる可能性もあるそうです。

<超簡単!女性におすすめ「骨密度検査」>
骨密度の検査は、踵の骨に超音波をあてて測定します。機械に足を乗せるだけなので、とても簡単に検査できるそうです。骨密度は20歳〜44歳の平均値を100%として、比較した割合が80%以上なら正常。70%未満は骨粗しょう症と診断されるのだとか。骨密度が低くなりやすい閉経後の女性は1年に1度骨密度検査を受けるのがおすすめだそうです。

中高年におすすめのオプション検査(3)「脳ドック」

<脳ドックについて>
脳ドックでは、強力な磁気の力を利用して2種類の脳の画像「MRI」と「MRA」を撮影します。脳の断面を撮影する「MRI」では、血管が詰まって発症する「脳梗塞」、「脳腫瘍」、脳の萎縮による「認知症」の診断が可能。脳の血管の状態を見る「MRA」では、血管にできたコブが破裂して引き起こされる「くも膜下出血」、その原因となる「脳動脈瘤」を見つける事ができるそうです。

<50代から増える!?「びまん性白質病変」>
MRIの画像から「びまん性白質病変」も分かるそうです。「びまん性白質病変」は、脳への血流が不足する事で生じる変化で、50代以降に増えてくる事が多いのだとか。加齢や動脈硬化などの影響により増えていき、脳卒中や認知症の危険因子になるとも言われています。増やさないためには、生活習慣の改善が大切だそうです。

<脳ドックを受けた方がいい人は?>
・40歳以上の人
・高血圧・糖尿病・コレステロールが高い人
・頭痛が強い人
・家族に脳卒中や認知症にかかった方がいる人

年代別!オプション検査の選び方

<年代別オプション検査の選び方>
先生によると、20〜30代は気になる症状がなければ定期健康診断で十分ですが、40歳以上は大腸にポリープができやすい年代になるので「便潜血検査」を受けると良いそうです。50〜60代以降は、がんが増える年代なので「胃内視鏡」「大腸内視鏡」を追加するとさらに良いのだとか。ただし、「胃内視鏡」「大腸内視鏡」は家系にそのがんを発症した方がいる場合は、少し早めに受けた方が良いとの事。大腸の異常所見は便潜血検査でも大体見つかるそうですが、大腸の奥の方だと見つからない場合もあるので「大腸内視鏡」も受けるのがおすすめだそうです。オプション検査を受ける際の参考にしてみてください。

<性別・年齢別のオプション検査の目安>
大腸がん便潜血検査:40歳以上(毎年)
大腸内視鏡検査:50歳以上(3年に1回)
胃内視鏡検査:50歳以上(2年に1回)
肺がん検査(X線):40歳以上(毎年)
乳がん検査(マンモグラフィ):女性40歳以上(2年に1回)
子宮頚がん検査:女性20歳以上(2年に1回)
前立腺PSA :男性50歳以上(3年に1回)

(2024年3月17日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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